活動報告・レポート
2024年6月24日(月)
県議会一般質問最終日

早いもので県議会一般質問最終日を迎えました。今回、15人の議員が登壇し県政に係る議論を繰り広げました。「大阪・関西万博」やDX、学校教育や観光振興などの項目が取り上げられ、これらの分野の考え方と県政の今後を確認することができました。当初予算と補正予算案をもとにして、今夏以降の県政が動くことになります。

また日本銀行は6月13日と14日に開催した金融政策決定会合での意見として「物価が想定を上回る可能性がある」「遅きに失することなく適時に金利を引き上げることが必要である」などがあり、追加利上げの検討が必要との意見が出されたようです。いよいよ利上げの動きが見え始めているので、この県議会の一般質問で取り上げた金利のある世界に向かうことから企業活動のあり方が変わりますし、継続した賃上げに向けた機運醸成も必要になっていくと思います。今回は秋以降の利上げを想定して、一般質問で知事と地元企業が成長していくための投資や支援のあり方を議論できました。地元企業が金融環境の変化に適応できるよう県の支援が必要なので継続した取り組みを期待しています。

さて一般質問の合間に「大阪・関西万博」における和歌山県アクションプランの説明を聴かせてもらいました。議会でも「大阪・関西万博」が取り上げられ質疑が行われましたが、ここでは和歌山県パビリオンとお客さんを和歌山県に誘客する方策などの考え方を示してくれました。

この「大阪・関西万博」は約2,820万人の来場、経済効果は約3.4兆円と想定されています。この経済効果を和歌山県に波及させることが必要です。和歌山県における観光消費の経済効果の想定は、和歌山県の来訪者数が約189万人、観光消費における経済波及効果として約330億円と見込んでいます。

和歌山県の代表的な観光地は熊野古道であり高野山です。ここには今も外国人観光客が訪れていますが、外国人が求めているものは「精神性」と「自然崇拝」などの日本人が持ち続けている普遍的な価値です。特に欧米の人が関心を持ち、この地を訪れています。

今回の「大阪・関西万博」でもパビリオン内でこの価値を発信し誘客につなげることになります。そのためテーマは「神話の時代から続く和歌山県の精神文化から育まれた、自然、人、産業、食の文化などの多様な魅力を『和歌山百景』として表現」することになります。

コンセプトは「上質のつまった和歌山」となっています。日本人が持つ精神文化は見えないので外国人の皆さんに訴えることが難しいテーマですが、この価値を発信することに挑戦することになります。

尤も和歌山県がこのコンセプトを発信するのは今回に始まったものではなく、和歌山県のお家芸ともいえる得意分野なので、国際博覧会の舞台で外国人に日本人が持っている精神性という価値をどこまで理解してくれ、来県してもらえるのかの勝負になります。

これまで梅原猛氏は「日本の原郷熊野」で、熊野は「日本人の精神文化の拠り所。日本人の心のふるさと」であることを記してくれています。この本は南紀熊野体験博実行委員会の時に熊野を知るために読んだ本ですが、恐らく熊野を知るためのバイブルだと思います。

そして1999年に開催された南紀熊野体験博では「熊野」が「癒し地であり蘇りの地」であることを全国に発信しました。当時、熊野古道の存在は地元以外で知られることは少なく、和歌山市でも古道の存在を語れる人は少なかったのです。「癒す、充たす、蘇る」をコンセプトにしたオープンエリア型の博覧会は画期的で、この一つの会場に閉じ込めない博覧会に追従できる場所はないと思います。

真打は世界遺産に登録したことで、和歌山県の持つ優れた精神文化と日本人の自然信仰の源であることを世界が認めてくれました。

今回の「大阪・関西万博」は、これらに続く和歌山県の優れた精神性を発信する舞台となります。是非、世界からのお客さんを和歌山県への誘客を図り、お迎えしたいものです。