今月二回目となる101歳の経営者と懇談の機会をいただきました。今回の懇談テーマは無題ですが、主に「一体、国政はどうなっているのか。何の利益のための議論をしているのか、さっぱり分からない」そして「事業における物価高の影響について」です。
一点目の「国政での議論」ですが、どんな議論が交わされているのか現場にいないため分かりませんが「私達の若い頃は国会議員と言えば尊敬できる人、立派な人だと思っていましたが、今はそんな思いは全くありません。むしろ民間企業の役員と比較しても小粒になってしまったと思っています。何故、こんな日本に、こんな国会議員なってしまったのだろう」ということです。
これまで50年以上も経営してきた中でも「最も情けない」状況に感じるということです。続けて「期待していた国会議員もいたけれど今は応援していません。物価は上がっていて民間企業はこれまでも切り詰めているうえに、更に自助努力をしている中、政治はいったい何をしているのだろうと思います。物価も抑えられていませんし、円安も看過しているだけのように感じます。何もしていない訳ではないでしょうが、現在もこの先の見通しも分かりません。むしろこれから光熱費が上昇するので、経営環境は厳しくなると思っています。給与も上げる必要がありますから、果たして和歌山市内で事業をやっていけるのかなと思います」という話です。
また職場の方から「子どもには和歌山市に戻ってきて欲しいのですが、働く場所がないので戻ってとは言えません。和歌山市は暮らしやすいと思いますが、子どもが今もらっているだけの給与を出してくれる企業は和歌山市にはないと思います。給与を下げてまで和歌山市で働いて欲しいとは親として言えません」と話を聴かせてくれました。
社会人口が減少しているのは、希望する働く会社がないことと給与水準だと思います。都会では行きたい会社を選択できますが、和歌山市では選択するだけの希望職種、会社が少ないのです。そして給与に関しては、残念ながら低いのが現実だと思います。給与が低いのは上場企業が少ないことや、ITやAIなどデジタル系の会社が少ないことが原因だと思います。豊かな社会生活環境の条件の中には、働きたいと希望する会社があることと給与水準が含まれるはずです。
都会と比較して社会生活環境が整っていないことは、和歌山市固有の問題ではなく地方都市の問題ですが、一度都会に出た若い人たちはその環境に適応していますから、地方都市に戻った時に感じる「都会と比較して遅れている感」は、故郷に戻ってきたいとの思いを消すには十分です。これは課題として考えているところですが、都市との差を詰めていくには地方の財力や実力が不足していると思います。先端企業の誘致による雇用確保と経済力強化などの施策の必要性を理解して取り組んでいるところですが、成果を上げるには時間を必要としています。
また仕入れ経費と光熱費などの上昇による価格転嫁は既に料金に含めていますが、これ以上の上昇はお客さんの減少を招く恐れがあるので「政府として真剣に対応していただきたい」課題となります。懇談の時間をいただいたことに感謝しています。
- 「龍馬World in和歌山」大会に係る調整を行いました。関係者の皆さんの協力に感謝しています。
- 和歌山県内のトンネル工事「八郎山トンネル」の調査報告書の案ができあがったので読んでいます。問題点と対策について今一度見直してみます。