活動報告・レポート
2024年5月29日(水)
観光振興会議

観光振興に関する会議を行いました。県外から観光事業を手掛けている若い経営者にも加わっていただき議論を深めることが出来ました。観光振興とは、当該地域の経済がそれ以前よりも活発に動くこと、および経済効果が持続することが必要です。単発的なものや一過性の企画で観光振興、つまり地域振興にはつながりません。その観点から観光を生かした地域振興を考えると教育と防災と組み合わせることが必要だということです。教育は子どもに対して故郷の歴史を教えることで自信と誇りを得てもらいます。故郷に誇りを感じた子ども達は学習にも力が入り、故郷を愛する気持ちが生じ、観光客と出会っても故郷を自慢することになります。観光に訪れた方々が地元の人と出会った時の印象によってその観光地のイメージが決定されます。その場所で誰と出会うか、誰に案内してもらうかによって印象は違っていくのです。

彼が手掛けているツアーは一般的な観光地を案内するのではなくて、その場所で活躍している人と会うことを主眼に置いています。地元で活躍している人からその土地の良いところを案内してもらう、語ってもらうことで歴史や文化、その技術の素晴らしさを知ってもらうのです。その人の印象が観光地の印象となることは珍しいことではありません。むしろ案内してくれた人達の印象によって、観光地の評価が決定されることになることが多いと思います。

そして訪れた観光客にお金を使ってもらえるしくみを整えることが、観光地で必要なことです。地域通貨や地域振興券なども方法の一つですが、それだけでは一過性のものになります。一過性にならないためには、イベントを打ち上げることは良いのですが、その次につなげるしくみを用意する必要があります。そのためには企画力と共に地元の協力、むしろ地元が賑わうための仕掛けをする場合は、主体的に参画してもらうことが求められます。

主役である地元と企画してくれる事業者、そして観光行政の支援と後押しが揃って観光振興と地域振興につながると考えています。その故郷の力の下支えになるものが教育ですから、子どもの教育と共に大人の故郷教育もやってみたい企画です。

そして防災の取り組みです。地域の防災力を高めることは観光振興と直接関係はありませんが、地域としての危機管理体制を整えることと危機管理意識を持つことは、観光だけではなく地域振興や地元連携などの基本となるものです。地域の防災力を高める取り組みを抜きにして、行政は語れないほどになっています。

防災力を高めることが観光振興や地域振興、そして企業誘致にもつながるものなので、全ての行政の活動において考えるべき項目です。その一つとして今日の話題にもなったインバウンド観光客に対しての旅行中の安全確保や万が一にも災害が発生した場合の避難誘導などは必須です。あえて危険な場所や安全対策への取り組みが少ない地域に、観光に訪れようと思う観光客は少ないからです。防災の観点も観光と地域振興にも取り入れる項目だと認識しています。

ところで教育も防災対策も何か仕掛けや活動をするためには予算が伴います。しかも対策を講じたからと言って直接的にも短期的にも効果は見えないのです。だからこの分野の予算を増やすことよりも、行政は見栄えの良い取り組みをしたがるものです。でも基本は基本ですから、地域振興の前提として、教育と防災は採り入れるべき項目だと思います。

会議の最後に、持続的に経済活動に資する取り組みに関しても議論を交わしました。これは難しいテーマですが、お金が回らないことには地域振興はあり得ません。観光は県外や市街からの誘客、インバウンド観光の取り組みによって外貨を獲得することも目的となります。観光に訪れてくれた方々に故郷の良さを体験してもらって良い印象を持ち帰っていただくこと。そしてその時は勿論のことリピーターとなり、或いは持続的に地元産品を購入してもらう仕掛けも必要です。これは考えるべき課題としておきます。