和歌山市を元気にすることをテーマに会議を行いました。このメンバーでの集まりは二回目ですが、前回の宿題を持ち寄っての会議となりました。
和歌山市で大型の案件が少ないことから、経済がうまく循環していないことが問題です。
仕事はあるけれど下請けの仕事が多いことから利益が薄いことも原因の一つです。
「仕事を得るために、どうしても利益率を薄くして受注するようにしています」ということや「技術者や人が少ないことから仕事を選んでいられない」ことから、単価が安くても請け負っているようです。何も仕事がないよりもある方が良いのですが、少しは余裕がなければ和歌山市内でお金が回らないのです。
つまり仕事をした分の手取り額が増えなければ、使い方は従来通りなので経済規模が膨らまないのです。外食時の単価を増やすことや、会社やグループで食事に行くためには、利益が増えなければなりません。利益が従来と同じなのに、お金の使い方が変わることはありません。小規模の会社の利益が増え働く給与も増えることが域内経済を上向けさせることにつながりますが、会社の利益も給与も増えなければ和歌山市は変わりません。
利益を確保して余力のある資金を地域内で使うことが、経済を上向かせるために必要なことですが、和歌山市はそこまで至っていないようです。
そこで仕事を増やすための大型案件が必要となりますが、残念なことに本年度、来年度は和歌山市内で大型案件は見当たりません。
ハイテク産業、宇宙関連産業、水素エネルギーの生産や洋上風力発電と基地港の指定などが考えられますが、数年内に実現に至ることが見通せる案件はありません。今から実現に向けた取り組みをすることが数年後の現実になりますから「将来の発展のために今、小異を捨てて活動する」ことが大事なことです。
和歌山県人の良くないところは「良い仕事があれば総取りを狙うこと」です。他の府県では分け合うことを前提として話し合いますが、当県は如何に多くの利益を獲得するのかの考えがきついようです。仕事は分け合うことで周囲が潤いますが、独占しようとすれば周囲に恩恵はありませんから、やがて企業や現役世代が減少し地域が疲弊していきます。企業人から現状を聴くと、こんな循環に陥っているように感じます。
このような問題や他にもたくさん問題がありますが、分け合うことを前提にした仕事をすべきだと話し合いました。
和歌山県にもインバウンドの観光客が増えていますが、富裕層向けに付加価値を付けた企画も考えたいところです。熊野白浜リゾート空港は国際空港ですから、台湾や韓国などから直接、白浜町に入ってもらう企画があれば、県内経済に好影響を与えます。
国際空港と世界遺産がある和歌山県は、より以上インバウンド観光客を誘致することができます。ここでの問題は、熊野古道や高野山が世界遺産に登録された精神を説明することです。日本人が持っている精神性や精神文化、自然崇拝などの言葉に代表される神仏さえ統合させている日本文化を説明することが観光客向けに必要なことです。
熊野古道は歩いただけで、神が宿るとされている優れた精神性を理解することはできません。特に富裕層向けには、日本の自然に宿る精神性の説明と移動手段は不可欠です。また那智の滝は滝を御神体にしているという特異性があり、ナイアガラやイグアスの滝のような瀑布と全く異なる自然であることの説明が必要です。神が宿る神秘の滝、神が宿る自然を語らなければならないのです。しかしこれは難しく、世界遺産への登録を目指した時期に引用した梅原猛氏や神坂次郎氏の考え方も学ぶ必要があります。文献を元にかみ砕いて説明をすることが、外国の富裕層に向けた企画には必要だと思います。
以上のようなことを、若い旅行会社の経営者と和歌山県を題材とした旅行企画について話し合いました。