一代で企業を興し上場させた会長と会議を行いました。大型連休中に連絡を取っていたのですが連絡が取れなかったので「どうしたのだろう」と思っていた時に、会長から連絡をくれたのです。
「片桐さん、連絡をもらっていたのに申し訳ないです」と挨拶をいただき、続けて「私は今、一年の間の半分はアメリカにいるのです。だから連絡がつかないことが多いのです」と伝えてくれました。そこで、連休明けに帰国しているので会って会議を行うことに決めたのが今日でした。
会長との会議の席に着いたことは、とても勉強になりました。
「現在、アメリカで会社を立ち上げています。立ち上げたのはGAFAのあるシリコンバレーで、一年のうちで半分はそこにいます。今、アメリカ市場に挑んでいるところです。
ですから一日の時間の使い方は、8時間は仕事、8時間は勉強ですから大変なんです」と充実した人生を話してくれました。
「私の後半の人生は、日本のために尽くしたいと考えています。それが使命だと思っています。アメリカにいて感じることは、日本と台湾を大事に大事にしてくれていることです。急速に中国が消えているので日本の企業にとってはチャンスなのです。
ここで会社を持つとスタンフォードの教授からも指導をいだけますし、周囲のIT系の会社も凄い会社ばかりですし、ベンチャーキャピタルが起業家を育てているので、この環境に身を置くことで刺激を感じています。社員も、顧客にもシリコンバレーに来てもらっていますがアメリカは物価が高いので現地での生活が大変なんです。この周辺のホテルは一泊10万円ぐらいしていますから、出張や視察で来てもらうのは厳しいですね。アメリカの経済が好調なことと円安の影響があるから、日本人にとって物価は高いと感じます。ただこの国の背中に日本は追いつく必要があるので、日本の将来のためにと思っています。デジタル化やAI時代ですから、日本の若い人を育成しないことにはアメリカや台湾、中国などに太刀打ちできなくなります。私はまだ勉強しながらですが『日本のために』を意識して仕事をしていますし、日本の起業家を支援しています」などの話をしてくれました。
現在のアメリカの状況や起業家を輩出している姿を聴かせてもらうと「果たして次の時代の日本は大丈夫だろうか」と思ってしまいました。
会長はアメリカで生活していることから、さらに日本に危機感を持っているので「起業家を育てないことには、これからも世界が市場のハイテク分野で伸びることはできない」と考え育成システムを立ち上げています。
現在、ここに所属している起業家は国内外を合わせて約1万社で、オフィスの提供はもちろんのこと、オンラインで各国の起業家をつないでいます。このオフィスの会議スペース、交流スペースでは、英語やフランス語、イタリア語が普通に飛び交っていて、日本語が少ないことに気づきました。外国でビジネスをしているような環境を創っているので、人脈も情報も世界が舞台になっています。ここで優秀なビジネスのアイデアを発見しては支援しているのです。日本と外国の起業家が切磋琢磨して競い合う環境は、厳しいけれどわが国に必要な環境だと思います。
本日の会議はとても刺激的で、アメリカに視点を向けることが出来ました。「日本から来る人のために現在、シリコンバレーでホテルも作っていて年内には完成する計画です。完成すれば連絡しますので、アメリカのオフィスにも来て下さい」と伝えてもらいました。
ビジネスで日本が世界に挑む姿は、国際大会での野球でもサッカー、ボクシングの世界戦などと同じように元気と希望を与えてくれます。世界と比較して日本の良さと外国に学ぶべき点を感じることが出来ました。
連休明けの慌ただしい日でしたが、長時間、会議に時間を割いてくれたことに感謝しています。