ゴールデンウイークの後半の初日は和歌山城で開催されたイベントに出演する歌手のmiyaさんの応援に駆けつけました。miyaさんはシャンソンを中心に歌っていますが、闘病生活をしながらの活動では、より幅広いジャンルの歌を聴かせてくれています。聴く人の心や魂に届くような歌を私達に届けてくれています。今日もそんなミニコンサートになっていました。
屋外ステージに出演するので、夏日のため体調面を心配しながら会場に入ったところ、ステージからmiyaさんの元気な歌声が聴こえてきました。聴こえてきた「いのちの理由」では生きる意味を考える話を交えて歌ってくれました。
「ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとガザとの間で起きている戦争など、どうして人は大切な命を奪おうとするのでしょうか。そんなことのために生まれて来たのではないと思います。歌詞にあるように『何処かの誰かに救われて、何処かの誰かを救うため』そして『幸せになるために』に生まれてきたように思います。決して争うために、人の命を奪うために生まれて来たのではないのです」とメッセージを伝えてくれました。
ところが歴史を見ても現代を生きていても、世界、そして人は常に争っています。救われて、救うために生まれてきたはずなのに、世界では争いが絶えません。唯一の被爆国であり、そして戦後平和を維持してきた日本は、世界に平和のメッセージを届けられる国だと思います。miyaさんの魂の歌は私達にそんなメッセージを届けてくれたように思います。
そしてラストの曲は「ソレアード〜子供たちが生まれる時」でした。この歌もmiyaさんがコンサートで取り上げている曲で、歌詞にある「子どもは人々に 夜明けを告げに来る 争いや憎しみは もうこれで終わりだと」の歌詞などを優しくて激しく歌ってくれます。優しい口調の中に「私達は決して争ってはいけない」と、激しい内心を秘めて歌ってくれるのです。その心の中の激しい想いを、優しい歌声で表現してくれたのです。
コンサートは短い時間でしたが、miyaさんの激しい想いはしっかりと心に伝わってきました。大切な命を賭けて闘病生活を続けているmiyaさんにとって、「人はどうして自分の命も人の命を粗末にしているのだろうか」の想いは重なっていく日々の中で、大きくなっているように感じます。与えられた命を全うすることが生まれてきた理由の一つだと思いますが、それを争いによって奪ってしまうこと、奪われてしまう最も愚かな行為を続ける人類に向けたメッセージだと思います。
そう今日、憲法記念日でした。歌を聴きながら、会場を後にした時も憲法を学んだ日々のことを思い出しました。学生や法曹でもない限り、私達は普段は憲法を考えることも、憲法を議論することもありません。わが国の憲法は、あまりにも当たり前で自然に存在しているのです。私達が語らなくても人権を護ってくれているのです。
特に重要な条文は第13条です。これは一般的に幸福追求権と言われるものです。
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
この幸福追求権は社会の変化において、新しい人権を創り出すことが出来る条文だと解釈されています。プライバシー権や肖像権など、憲法に定義されていない人権を生み出す根拠になっているのです。人権が護られることは何よりも大事な権利であることを規定している条文が第13条なのですが、ふとこのことを思い出しました。大事なことを思い出させてくれたmiyaさんに感謝しています。