県外から来てくれた皆さんと懇談している中で、和歌山県串本町でのスペースワンによるロケット発射のことが話題になりました。
来県してくれた皆さんはアジアやアメリカでもビジネスを行っているのですが、アメリカの番組、CNNでも串本町で打ち上げたロケット発射のニュースも報道されたことを伝えてくれました。アメリカ国内での評価は「和歌山県の挑戦は素晴らしい」ということであり、ロケットの打ち上げに挑戦していることから和歌山県の知名度は一気に上がったようで、しかも好意的に捉えられていると話してくれました。
アメリカで「アポロ計画」はチャレンジしたアメリカ国民の誇りの歴史であり、成功体験の象徴になっているようです。この偉大な「アポロ計画」でさえ4回連続で打ち上げに失敗していて、ようやく5回目に成功した歴史を持っています。
アメリカ人は「アポロ計画」を失敗の歴史ではなくチャレンジして成功した歴史だと捉えています。つまり失敗ではなく成功体験として語り継がれているのです。
その理由は、4回連続で打ち上げに失敗しても決して諦めることなくチャレンジし続けたからです。その歴史があるので「和歌山県の今回の打ち上げは失敗ではなく挑戦への入り口である」と評価されていて「この次の打ち上げに期待しているし、成功すると思っている。和歌山県の偉大なチャレンジを応援している」と話してくれていると伝えてくれました。アメリカ人の考え方の一端に触れることが出来ました。
一度や二度の失敗は成功へ向かう過程で起きることであり、落ち込むことではなく成功に向かう道のりを歩き始めた体験だということです。失敗して諦めれば失敗体験で終わりますが、最後に成功すれば成功体験に変わってしまいます。過去の出来事の意味を変えてしまうためにも、成功するまで続ける覚悟を持つことです。幸い、和歌山県も串本町も、そしてスペースワンも「諦める」という言葉は持ち合わせていません。年内に挑戦する気持ちで、次回打ち上げへの道を前進させています。
今回のロケット発射のニュースはCNNで放送されて和歌山県の偉大なチャレンジと共に知名度を高めてくれました。さらに高野山と熊野古道が世界遺産に登録されてから20周年を迎えたことから和歌山県への知名度と好感度は高まっていると伝えてくれました。「和歌山県を訪れたい」と言うアメリカ人がいるので「和歌山県を案内したいと思っています」という話をしてくれました。
その理由は「私達は和歌山県の潜在能力を高く評価しています。文化があり自然環境に恵まれていること、その文化と自然環境には物語があり、歴史の深みを伝えてくれる県であるから」です。多くのアメリカ人はビルや都会を見たい訳ではなく、自国にはない精神文化や歴史に彩られた自然を体験したいと思っているのです。
その全てが和歌山県には備わっていますが、ないものは彼、彼女達が望むグレードの高いホテルです。東京や大阪を訪れる観光客と和歌山県を訪れたいと願っているアメリカ人との違いは、ゆったりと過ごせる時間とそれに相応しいホテルがあることです。
和歌山県に欲しいのはゆったりと滞在できる和歌山県観光に相応しい高級なホテルです。それは和歌山県が取り組むべきことですが、民間事業者の力を借りる必要があります。力を借りるとは進出と投資をしてもらうこと。そのために熱量を持って和歌山県で一緒に事業をすることの議論を交わすことにあります。
熱量を持って話し合うことが誘致への道のりであり、「来たかったらどうぞ。話を聴いてあげますから」のような態度では進出してくれることはありません。資金調達と事業計画は事業者が行ってくれるので、和歌山県がすべきことは熱意をもって「絶対に和歌山県に進出して欲しい」と伝えることです。誘致する側には熱意と本気度が必要です。相手は資金を出すのですから、熱意と本気度を感じなければ簡単には出資してくれません。
しかしこの熱意と本気度を感じさせることは簡単なことではありません。何しろ相手は、国や事業者、国内でも地方自治体と交渉をしてきた経験を有していて、その熱意や本気度を簡単に見抜いてしまうからです。資金を提供する立場の側は責任とリスクを背負っているので、真剣であり本気度100パーセントです。
進出を希望する和歌山県は、事業に資金を出す側と同じ本気度を示さなければなりません。事業者と比較してリスクを負う割合が少ない地方自治体は、それに対応する熱意と本気度を持つ必要があります。それがないと進出してくれないことは、これまでの経験から明白です。
今回のロケット打ち上げはアメリカからも「和歌山県はチャレンジする県である」と評価されました。その根本は「アポロ計画」の成功体験であり、その評価に見合う熱意で和歌山県の発展に取り組むことが求められています。
- 和歌山文化協会茶道部会に出席しました。今夏の行事の確認と役割分担などを確認しました。会議の席で県政報告をさせてもらいました。一人の方から「片桐さんの話を聴いていると和歌山県に希望が見えますね」と話してくれました。有り難いことです。
- 「ONE TEAM和歌山」会員交流会に出席しました。この会が和歌山県内の活性化につながることを期待しています。
- 県道から磯ノ浦に向かう新しく完成した道路の視察に赴き、地元の方に現地を案内してもらいました。