夕方から、京阪神を中心に活動している若手経営者が和歌山市を訪ねてくれ、地元経営者を交えて懇談の機会を持ちました。この30歳代の経営者は「若い人が会社を興して頑張っているけれど、元請けからの提示される請負価格は昭和の時代からあまり変わっていないので、会社に残るお金が少ない環境に置かれています。この請け負う会社が苦しむしくみも昭和から変わっていません。だから会社は何時まで経っても大きくならないし、社員の給与もあげられないのです。私は社員を守っていますが、それ以上に社員の家族を背負っていることを意識しているので給与を上げたいのです。だからこのしくみに抵抗しています。
地方都市では、現場で必要なある技術者の日額は、昭和の時代は1日当たり1万5千円から2万円でした。今でも1日当たり約2万円の水準なので、余り変わっていないのです。
請負金額がその水準だと社員に支払える金額も上げることはできません。発注する側の大きな企業は利益を上げているのですが、請負会社に支払う金額は上げていないのです。
つまり今のしくみでは、請負会社か社員のどちらかが損をするしくみになっているのです。
会社も適正な利益を出して社員の給与を上げるためにすべきことは、請負金額を上げてもらう以外にないのです。但し、1社だけで大手企業と価格交渉しても、他の会社に仕事が回されるだけです。利益が薄くても社員の給与を上げなければ請け負うことができるので、そんな昭和型の会社はたくさんあるからです。
私はそれでは社員も家族も幸せにならないと思っています。だから単価を上げてもらうように仲間と共に大手企業と交渉しています。小さな会社でもまとまると力になるもので、先程の事例で示した技術者の日額を1日当たり、約2万5千円から4万円に引き上げてもらうことができました。日額が上がったので、社員の給与を上げることができているのです。働いただけお金がもらえるしくみにすることで、中小の会社にも人材を集められますし、長く社員として働いてもらえることができます。
私の会社と仲間の会社の多くは京阪神にありますが、大手企業の理解を得てようやく改善できつつあります。ただ私が訪問した地方では、相変わらず請負会社が泣いている状況で、モノを言うことができないので泣き寝入りしているのです。請け負う会社がモノを言わなければ、いつまで経っても環境は改善されないと思います。
どれだけ頑張っても会社は伸びない、人材が集まらない、人材がいないので仕事が回ってこないような昭和的な悪循環になっているのです。これは和歌山県だけではなくて全国どの地方都市でも同じ状況にあります。社長の仕事は、大手企業と交渉して適正利益が確保できる金額を引き出すことです。それが会社を長く続けることや、後継者に任せられる会社にするために必要なことです。今までのように我慢しているだけでは、会社は一代で終わってしまいます。和歌山県の皆さんには、社長のすべき仕事をしてもらいたいと思います。それが会社と社員を守ることになります」と話してくれました。
情熱と行動力を感じる話を聴かせてもらいました。地元の経営者は「まるで授業を受けているようでした。勉強になりました」「凄く分かりやすい人材確保と社長の役割の話をしてくれました」など感謝の言葉を伝えました。
この出会いと時間は、今後につながる良いご縁になったと思います。
和歌山文化協会役員会に出席しました。今回は令和5年度の決算案と令和6年度の予算案、役員体制案などの提案があり、理事会で全て承認されました。席上「和歌山県の文化活動は私達が担っている自負を持ちましょう」と話がありました。各部長から活動報告がありましたが、良き伝統を守っていることが分かりました。今回、役員改正があったとしても、会としての伝統は受け継がれていく流れを感じました。
来月は総会が開催される予定になっているので、今日の役員会で承認された議案書を元に説明されることになります。
和歌山県で開催される「龍馬World in和歌山」大会の定例会に出席しました。現在の取り組みの状況と今後について協議を行いました。
報告事項以外にこの大会に関連する事項として、現在、神奈川県立金沢文庫で開催されている「国宝文選集注といただきもの」特別展で、陸奥宗光伯に関わる展示がされています。
中でも欧州で書かれた「七冊のノート」が展示されていることは特筆ものです。陸奥宗光伯が英語で記したこのノートは、これまで公開されていませんでしたが、今回は特別に展示してくれています。今月21日には金沢文庫で説明講座もあるので、和歌山県の全国大会に向けた支援になると考えています。