活動報告・レポート
2024年4月2日(火)
茶道部研修茶会
茶道部研修茶会
茶道部研修茶会

和歌山文化協会茶道部による白浜での研修茶会に参加しました。午前9時30分に和歌山市をバスで出発し白浜町に向かいました。目的は会員の親睦と研修茶会のためです。数年前までは不定期ですが開催していたのですが、コロナ禍の影響で中断していたため、今回は久しぶりの研修会となりました。

茶器などの道具をバスに持ち込んで、車中でお茶を点てて会員同士の親睦のひと時を楽しみました。バスで抹茶を味わえることは、日常と異なる気分になれるもので、お茶をいただいた会員は「こんなバス体験は初めてです」「気持ちが落ち着きます」「日常の疲れが吹き飛びました」「次のお茶会に向けて気持ちが高まりました」など、それぞれの感想を語ってくれました。

会長からは「皆さんの精力的な日常の活動のお陰で天候に恵まれ、桜も咲く中での研修茶会となりました。日帰りの行程ですが春から夏に向かうお茶会に向けて、今日はゆったりとした気持ちに浸れる研修会にしたいと思います」と挨拶があり、続いて役員も挨拶をさせていただきました。

バスの中でお茶を点ててもらったのも、一服いただいたことも初めてでしたが「こんなおもてなしのやり方もあるんだ。日本文化を現代風にアレンジした取り組みになっている」と思いました。文化は伝統的な基本の型を学び真似ますが、そこから発展させることに将来につながる進歩があります。型を修得してから変化させていくことが個性であり、楽しみの一つでもあります。

今回のバスの中でのお茶は、型を発展させるのとは違いますが楽しみ方を広げるような効果があったと思います。コーヒーやペットボトルのお茶を飲むのではなくて、お茶の師匠から「抹茶をいただく」経験は、他では味わえないものです。この企画に参加したお弟子さんが感動したのは言うまでもありません。

茶道部研修茶会

さて今回の研修は故郷の偉人を訪ねることも加えています。白浜町にある南方熊楠記念館を訪れました。知の巨人と言われた熊楠の人生を、館長に案内してもらいました。

知とは学び続けることができる人が得るものなので、生涯に亘って学び続けた熊楠は「知の巨人」と呼ばれているのです。

但し弟が兄である熊楠の研究のため、生涯に亘り資金援助を続けたことも説明してくれました。弟からの資金援助無くして、研究は続けることはできなかったと思います。才能のある人と資金援助が組み合わさって、偉人が歴史を築いていったことを理解させてくれました。歴史はそんな組み合わせで成り立ってきたように思います。

代表的な事例として、日本では藤原道長と紫式部。西洋ではルネッサンス時代の優れた才能を持つ芸術家の登場など、才能ある人の登場と資金提供者が揃って、歴史は進歩を遂げ築かれてきたように思います。熊楠と弟の関係の説明を聴いて、このような関係性に基づいて、人類の歴史は繰り返されているのではないだろうかと思いました。

ところで館長と担当の皆さんが案内してくれたのですが、とても丁寧で親切に説明してくれました。加えて見学途中に発生した出来事に関しても、極めて迅速な対応をいただいたことに感謝しています。和歌山県の施設の説明とサービスレベルの高さを感じることが出来ました。

茶道部の活動は1月、2月と実施し、次回は5月、6月と続くことになります。お茶会の合間の月に会員の研修茶会を企画したことで、さらに気持ちが一体化しました。研修茶会でご一緒させてもらった皆さんに感謝しています。