活動報告・レポート
2024年2月29日(木)
地域医療
地域医療

地域医療を担当している皆さんと「コロナ禍明けと物価高の中での運営」などの話し合いを行いました。病院の診療費は物価が上昇したとしても円安の影響を受けていると言っても国が決めた点数があるため医療費を値上げすることはできないようです。つまり私たちにとって大事な医療は、物価や円安の影響を受けないしくみになっているのです。

ところが薬や医療に必要なものの価格が上昇していることから、経費が増加して経営を圧迫しているようなのです。中でも先進医療に必要な薬は輸入品が多いので、円安の影響を大きく受けて経費負担につながっています。病院の規模によっては数億円の負担増になっているので、令和5年度は単年度赤字の病院が増えることが予想されています。

むしろコロナ禍の時は国からの支援制度があったので、「大変でしたが経営面では黒字になりました」ということです。現在の円安と物価高の影響の方が、病院経営面では深刻な事態に陥っています。

病院は患者さんが絶えないことや、高齢化で医療受診の機会が増えているので、むしろ安定していると思っていましたが全く違っていました。診療収入は変わらないけれど経費負担が増えているので利益が減少している。更に言うなら患者さんが増えると経費負担が増えるため、経営面では厳しくなっている状態になっています。円安と物価高に苦しんでいるのは病院も同じだったのです。

そして物価上昇に見合うように病院の職員さんの給与も増やす必要があるので、令和6年度からは人件費が増えることになります。物価上昇に見合った給与は上げる必要があると思っていますが、それが病院にとっては経費負担増となり、さらに経営圧迫することになるのです。

企業では経費が増えるとコスト削減と売り上げを増やすために価格改定をすることになりますが、病院の場合はコスト削減だけが対策となります。ここに経営面での苦しさがあり、和歌山県のような地方都市では地域医療を維持するために、赤字が続いても将来に亘って運営する必要があります。

ただし巨額の赤字が続くことになると「果たして将来とも存続できるのか」と思わざるを得ません。和歌山県の高齢化の状況から考えると、地域医療を守ることは福祉保健行政としては必須であり、特に地域の病院を存続させるための対策を考えなければなりません。

地域にある病院は言うまでもなく地域医療の拠点であり、存続のためには経営の黒字化は当然のことです。患者さんの負担を増やさずに病院経営を安定させることの両立を図るためにはどうすべきか、話を聞くととても難しい課題であることが分かりました。

このまま円安傾向が続くと、ますます先端医療の病院の経営は厳しくなっていきます。先端医療の必要な薬や医療機器は国内で製造することや、円安を是正する金融政策も必要かもしれません。日本の医療技術は世界一だと思いますが、先端医療の機器と薬は外国製に頼っている現場の状況を聞いて、宇宙やロボット、半導体やAIなどの先端技術と同じように日本は後れを取っていることが分かりました。

先端技術のキャッチアップと金融政策の問題なので和歌山県ではどうすることもできませんが、国は地方の課題を分かっているはずなので、地方からのこれまでの提言や意見を聞き届けて欲しいと思います。

現場で医療に従事してくれている医師、看護師、事務職員の皆さんの、私たちの命と健康を守るための献身的な取り組みに深く感謝しています。

能登半島支援チャリティコンサート

シンガーの羅布さん、会場を用意してくれた和田さんと共に「能登半島支援チャリティコンサート」を開催しました。チャリティコンサート開催に際して来場してくれたのは45人の皆さんでした。皆さんの善意に心からお礼申し上げます。

チャリティに賛同して出演者してくれたのはシンガーの羅布さん、橋本さん、光春さん、夕海さん、そして寺本さんです。今回のチャリティコンサートは、僕の県政と能登半島支援の取り組みに関するトークと歌のコラボを企画しました。5人のシンガーが出演して、能登半島復興支援を願った歌を聴かせてくれました。聴かせてもらって心に響く歌声と言葉に感動しました。

能登半島支援チャリティコンサート 能登半島支援チャリティコンサート 能登半島支援チャリティコンサート 能登半島支援チャリティコンサート

来場者の皆さんからも「素晴らしいコンサートで心に届きました」「こんな素晴らしい企画をしてくれたことに感謝しています」などの言葉をいただきました。

本日預かった募金は明日、集計して和歌山県庁に届ける予定です。

今回の県政報告は「能登半島地震の和歌山県とインフラ企業の支援状況、支援物資を被災地に送り届けたこと」および「JR和歌山駅周辺の再整備」についてでした。

県政報告に伴う皆さんからの質問は次の通りでした。

1.和歌山バス鳴神線が廃止になると聞いていますが、地域にとって必要な路線だと思いますので存続をお願いします。

→和歌山バス鳴神線の廃線については、令和6年度、和歌山バスの鳴神路線の補助予算案を市議会で審議しているところですので、可決すれば令和6年度は存続することになります。地元からの強い要望で和歌山市は予算案を議会に提案しています。以前から赤字路線のため事業者から廃線の話がありますが令和6年度は補助制度により存続できる見込みです。

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但し利用者が減少している状況なので、このままでは存続させたくても、路線バスは民間事業のため補助金がなくなると危うくなります。地元の連合自治会でも話をしていますが、地元の皆さんに乗車してもらうことが存続に必要なことです。行政の支援は地元の皆さんが利用してくれてこそ継続できるのです。是非、必要性がないのに無理に乗車してとは言いませんが、JR和歌山駅に行く時は進んで利用して欲しいと思います。地元の利用が存続のために必要なことです。

2.JR和歌山駅再整備をしても路線バスがなければ意味がないと思います。

→JR和歌山駅の再整備は駅舎の建て替えだけではなく、JRと共に和歌山電鐵貴志川線と路線バスの利用促進につながることも考えています。いわゆる、JR利用から自宅付近まで移動するための二次交通の確保も検討課題です。

但し貴志川線も路線バスも利用しなければ存続させることは難しいことは理解してください。JR和歌山駅からの二次交通の利用者がいて必要性がある場合は継続させたいと考えています。それが地域の交通で必要なことです。

3.路線バスがないところにコミュニティバスの運行はできないのですか。

→地元、地元自治会からの要望があれば検討できると思います。自治会で地域のコミュニティバスの必要性を十分に議論していただき「多くの人が利用したい」と要望があり、自治会を通じて申請してもらうことが条件です。利用者の見込みがないのにコミュニティバスを運行することはできませんので、必要としている自治会があればそこで議題に上げていただき和歌山市に要望をお願いします。