活動報告・レポート
2024年2月27日(火)
避難所のあり方
県議会
県議会

県議会は建設委員会が開催され、令和5年度の補正予算案の審議を行いました。議案書に基づいて部長の説明を受けた後に採決を行いました。全員一致で補正予算案は可決されました。委員会終了後に、八郎山トンネルの問題についても聴かせてもらいました。

避難所のあり方

県議会では所管の皆さんと、来週から始まる一般質問に関わる議論を交わしました。まだ通告していませんが、予定している一般質問に基づいて議論を行いました。

今回、先輩、同僚議員から能登半島地震に関連して、和歌山県の防災対策の一般質問があると思います。僕も能登半島地震から考える避難所のあり方について質疑を交わす予定なので、一般質問の趣旨を理解してもらうための構成を伝えました。

避難所として指定している体育館などの避難所には飲料水と保存用食料、毛布などが備蓄されています。和歌山県では紀伊半島大水害の教訓から、段ボールベッドも避難所に備えている点は評価できます。

ただ今回の地震の避難所のあり方を報道で見ている中で、皆さんから意見を聴いている中で「それだけでは不足している」と強く感じました。

つまり飲料水と食料、毛布などを備えているだけの避難所では中長期の生活空間になり得ないということです。言い方は難しいのですが、これまでの避難には最低限必要な物資は備蓄されていますが、あくまでもベーシックな備蓄がある避難所でした。今回の能登半島における避難所から感じたことは、ベーシックな避難所ではいけないということです。

つまり洋式トイレ、温かい食べ物、感染予防のためのベッド、そして家族単位でプライベートな空間を確保することは避難所機能として必要になっているということです。避難した後に起きている災害関連死は絶対に防ぐ必要がありますし、避難所での心身の疲労はプライベートな空間がないことから来ています。

つまり従来のベーシックな避難所生活では、安心の確保と心身の疲れを取ることは難しいのです。ベーシックな避難所にプライバシー空間を確保した少しクオリティの高い避難所にアップデートする必要があるのです。報道されている中での課題と、皆さんとの懇談の中からの意見などによって、このことは強く感じています。

日本の避難所は欧州と比較すると格段に遅れていると言われています。言葉は適切ではありませんが一人当たりの居住スペースが狭くて、避難所内の衛生管理が出来ていないことやトイレの汚さとシャワーがないなど、「難民キャンプのようだ」と言われている記事も見たことがあります。欧州のスタンダードな避難所のようにプライベートな空間がなく、衛生管理面で遅れを取っていることなど、快適性の観点からも相当後れを取っているのです。

只でさえ、大災害に遭遇し慣れない避難所生活を強いられている環境では、強いストレスを感じると思います。避難所生活へのストレスから精神面で負担があることで健康を害する人もいますし、プライバシーが配慮されていないことから、避難所から脱出したいと思っている人もいると思います。

今回の避難所での問題を聴くと、体力面の負担以上に、避難所生活に耐えられないという精神面での負担が大きいように感じます。これは快適性を追求し続けている現代人の生活環境から考えると、従来型のベーシックな体育館などの避難所で生活することは精神的に困難であり、ストレスを軽減するような避難所のあり方を検討すべきだと強く思うようになりました。

また高齢者や障がい者、医療的ケア児と保護者の避難、そして避難所生活に関してはどう配慮すべきなのかも明確な課題として見えたのも今回の地震です。和歌山県として直近の避難所のあり方から防災計画を見直し、プライバシーと災害弱者に最大限の配慮した計画に仕上げる必要を感じています。

避難所に逃げた全ての人の命を護ること。避難所生活において一人の命も失わせないこと。それが進んだ避難所のあり方だと思います。そんな避難所のあり方について、本会議議場で議論を交わしたいと考えています。

その他
  • 和歌山城と刀陣について話を聴かせてもらいました。和歌山県にとって素晴らしい取り組みなので、今日の話は改めて紹介したいと思います。
  • 和歌山文化協会茶道部の春の研修会についての協議を行いました。
  • 社会奉仕団体の理事会に出席しました。来月の予定や会としての検討事項の説明を行いました。