今回で6回目となる防災用品研究所主催の「防災川柳表彰式」が執り行われました。
今回の応募作品は1,110点で、全国の方々から応募をいただきました。一般の部の最優秀句は「家探し ハザードマップと にらめっこ」で、小学生の部の最優秀句は「膝痛い 避難訓練 祖母走る」でした。どちらも親しみやすくて情景が浮かんでくるような句となっています。これらの句を始め優秀句と秀句に選ばれた皆さんに来場いただき表彰を行いました。
表彰式には和歌山市副市長や和歌山商工会議所の専務理事も来賓として出席していただき、祝辞と講評をいだたきました。応募者も出席してくれた方々も防災意識は高く、川柳に込めた思いとそれぞれの行動規範を説明してくれました。川柳に込めた防災への思いは、万が一、災害が発生した時の行動につながると思います。この選に入った川柳を広めることでより多くの方々の防災意識向上に努めたいと考えています。
僕からの挨拶の趣旨は次の通りです。
「6回目を迎えたこの防災川柳で受賞された皆さんにお祝いの言葉を伝えます。まずは受賞された皆さん、おめでとうございます。全国から応募をいただいた中で優秀作品に選ばれたことをお祝い申し上げます。
優秀作品で詠まれた句からは社会情勢が感じられます。数年前の作品と比較してみると良く分かるのですが、実に社会と防災の関わり方を反映しているのです。
家探しのためにセンターへ相談に行くと、物件の案内と共に宅建資格者が条件を説明してくれます。現在、当該物件の範囲のハザードマップを取り出してくれたうえで、津波浸水リスクや地震倒壊のリスクなどを丁寧に説明してくれています。行政が発行しているハザードマップに基づいて丁寧に説明してくれるので、入居を希望される方も事業者も、そして行政の防災意識も、過去と比較して数段高まっていると感じています。
そんな風情を反映した句が表彰されたことは、現代社会の防災士気の高まりを示していると思います。
続いて防災グッズに関する句が優秀作品に選ばれています。これも実に社会情勢を反映していると思いました。今年1月に発生した能登半島地震の支援のために、現地で必要としている物資を届けるために、必要な支援について輪島市などに問い合わせを行いました。
そうしたところ、毛布やカイロ、ネックウォーマーなど体を温める用品の希望がありました。冬の避難所特有のものかもしれませんが、避難所は冷えることを前提にしておきたいと思います。続いて飲料水、消毒液や消毒ペーパーなどの衛生用品と生理用品の希望がありました。命を護るために避難してきたわけですから、水や生活用品が不足しているのです。
ですから皆さんには数日後の公助は心配しないでくださいと伝えたいと思います。国や県、市町は公助の役割をしっかりと果たしてくれます。災害が発生した時にすべきことは自助に尽きると思います。地震や津波発生時は、自宅の防災袋に備えておいた用品を、余裕があれば持って避難して、その日から2日、3日、何とか凌いで欲しいのです。大事なことなので繰り返しますが、命を護るための行動は自助に尽きることを伝えたいと思います。
必要な防災用品を自宅に備え付けておいていただき、最低限、最初から数日は自分と家族、そして友人は無事に避難して欲しいのです。そうすれば必ず行政は支援に入りますから、防災川柳で詠んでくれたように、まずは自分自身が避難行動を取ることです。私達、防災用品研究所は今回の川柳の精神を元に啓発活動を続けますので、一緒に和歌山県の防災意識を高めてくれたら嬉しいことです。
最後に、受賞された皆さんにお祝い申し上げ挨拶といたします。おめでとうございます。
- 教育関係の皆さんと意見交換を行いました。教育現場で教師として教えていた皆さんは、教育に熱意と愛情をもっておられます。但し個人の教師に裁量が与えられた時代背景があり、現代と比較することはできません。が、裁量権がなければ自信と責任をもって教育することはできないと思います。
- レストランなどの格付け機関の「Gault&Millau ゴ・エ・ミヨ」について話を伺ったこと。この認証があるお店を外国にもPRすることで、観光客は和歌山県に来てくれることのアドバイスをいただきました。