活動報告・レポート
2024年2月2日(金)
旅行事業者と農業従事者

お世話になっている旅行事業者、農業従事者の方たちと懇談の機会があり、業界の状況を聴かせてもらいました。

・旅行事業者の話

インバウンドのお客さんはコロナ禍の前に戻っています。京阪神が多いのですが和歌山県にも来ています。和歌山県の場合、来日の比率でいうと台湾の方が多いように感じています。中国からは富裕層とビジネスのお客さんはありますが、団体旅行は解禁になっていないので訪日していません。

国内の需要としては能登半島地震の影響を受けていますが、お客さんからは「石川県、福井県の応援をしたいので、北陸の旅行の企画を依頼したい」との問い合わせがあります。そこで北陸の旅行事業者と連携をしているのですが、本来であれば3月に北陸新幹線が開通することから観光ムードが高まっている時期なのに「地元ではお祝いムードは全くありません」という状況だそうです。

まだまだ北陸では他の地域からの観光客を受け入れる態勢が十分ではないようです。ただ「問い合わせをいただいていることは有り難いこと」だと話してくれていますので、3月に入れば応援のための観光客は増えると思います。和歌山市内の皆さんからも、北陸支援のための観光の依頼を受けているところです。

もうひとつ、旅行業界の案件は「大阪・関西万博」です。実は首都圏からの問い合わせが多くあります。中でも修学旅行で関西行きの企画は好調で「大阪・関西万博」とユニバーサルスタジオの組み合わせに京都観光を加えた企画が最も多いのが現状です。首都圏から関西の旅行では京都は絶対に外せない観光地となっています。「大阪・関西万博」の企画でも京都観光を入れることは絶対です。

そのため、現在のところ「大阪・関西万博」と和歌山県の企画で積極的な修学旅行の企画はありません。和歌山県として首都圏への働きかけを実施しなければ、修学旅行に関してはコロナ禍の時期と同じではないので厳しいと思います。

このように「大阪・関西万博」に関しては、報道されているような悲観する状況ではなく、チケットの問い合わせも含めて好調の部類に入ると思います。まだ開催まで1年以上あるので盛り上がると思います。

ただ「大阪・関西万博」は大阪から京都、大阪から神戸の企画が主力なので、大阪と和歌山県と組み合わせてもらうには、首都圏の旅行事業者に対して誘客の働きかけが必要だと思います。

つまりインバウンド観光が戻っていることは和歌山県にとって好材料ですが、「大阪・関西万博」のお客さんに和歌山県に来てもらうには、これから尚一層の働きかけが必要だということです。

・農業従事者の話

物価高で肥料と光熱費が高騰しています。モノによっては価格が3倍になっているため、野菜で収益を確保することは難しい状況です。冬は白菜を出荷していますが、農家から市場に出荷する金額は同じ価格で、物価高になる前と全く変わっていないのです。つまり価格が同じなのに肥料や光熱費が高くなっているため利益は出ていません。

農業の他にも収益事業があるので合計するとやれていますが、農業だけで生活できるかと問われると「私のような小規模な農家ではできません」となります。

スーパーで販売されている野菜の価格は倍以上になっているのですが、生産者価格は変わっていないので「値上げしている分のお金は一体、どこに行っているのだろう」と思うことがあります。少なくとも生産者には恩恵はありません。

小規模な農業従事者が生産をしても、利益が上げられない構造になっている話を聴かせてもらいました。