「大雪が降った日や大雨の日などは、危険なので出勤しなくてもよいのでは。県庁が先導役となって休みにしてください。大雪、大雨の時の出勤を見合わせる条例や規則をつくれば良いと思います。そうすると職員さんは無理に出勤しなくてもよいので危険を防げることとなり、万が一、災害が起きた時は職員さんが支援の仕事に就くことができます」という意見をいただきました。今月、和歌山県にも寒波が到来する日よりも前の時にです。
地方自治体の職員さんやインフラを担っている企業は大雨や大雪、巨大台風接近が予測されている時は待機したり、ホテルで会社近くのホテルで宿泊したりしています。また自宅が職場の近くの場合は、無理をしてでも出勤しています。使命感や仕事への責任があるからですが、その分、かなり無理をしていることがあります。
でも悪天候の中、無理をして出勤すると、過去の事例から怪我や体調を崩すこともあるので、令和の時代は「無理をしない」ことも選択肢となります。万が一、市町が大雨や大雪の影響を受けた場合、職員さんは支援業務に入ることになります。そんな非常時に備えることも職員さんの務めだと思うのです。
そこで今月の厳しい寒波が到来すると予報があり、当日、出勤が難しい状況となった場合は、出勤せずに自宅待機することを伝えました。まだ制度化していないので「その場合は休暇」となるのですが、休暇で対応する話をしました。
昭和の時代は、台風や大雪は勿論のこと、風邪をひいてしまっても無理をしてでも出勤する時代でした。僕の若い時は先輩や上司から「風邪は病気ではない」と教えられた時代でした。熱があっても風邪で休暇は取れない空気があったのです。
今思い返すと、風邪で熱があって辛い時でも、大雪で電車が止まった時でも車で出勤して当たり前のように仕事をしていました。職場では誰も「風邪だから無理しないように」などの配慮はしてくれませんでした。それが当然だったので周囲も自分も、何とも思わなかったのです。
しかし時代は変わりました。体調を崩してまで出勤することや、台風や大雨の時に無理をして車で出勤する選択肢は、却って職場に迷惑をかけることになります。風邪をこじらせて休暇が必要になったり、交通事故を起こした場合は、自分も職場も大変なことになります。
それでも休暇を取れない雰囲気がある職場もあると思うので、大雪、大雨の時の出勤を見合わせる条例や規則があれば良いと思います。
社会での議論が必要なので、今直ぐの制度化は難しいと思いますが、問題提起をしておきたいと思います。このような新しい視点からの提言は社会や職場、災害への備えを考える契機となりますので歓迎です。
参考までに、和歌山県庁を始めとする自治体から石川県の被災地に派遣されている職員さん達は、多くの場合、四泊五日の出張で被災地入りしています。
また電力関連会社の職員さん達も、四泊五日の行程で仮復旧の支援に努めています。被災地の自治体、電力会社などからの依頼に基づいて、正月または正月明けから連続して被災地に入っているのです。この支援活動が出来るのは自身が健康でいるからです。
大雪や大雨などのその日を休みにしても、全体を鳥瞰する視点で考えると、安全を確保でき健康でいる方が後工程は進むことになります。是非、考えてみたい「予防のための休みの制度」です。今は必要ないと言う人がいると思いますが、社会が進展していくと、やがてそれが社会では当たり前のことになっていると思います。
和歌山県でも厳しい寒気が到来している時です。非常時への備えについて考えることになりました。