活動報告・レポート
2024年1月23日(火)
民間投資を呼び込む
民間投資を呼び込む

地方自治体は民間投資を呼び込む力が必要です。これまでのように公共事業に頼っていると経済力は維持できません。税収が限られていることや公共事業が増える要因が乏しいこと。補助金による公共事業は地方自治体も応分負担が必要なので、借入金が増えることなどから、県外からの民間投資を呼び込むことが地域力に直結すると思います。

但し、民間事業に進出してもらうためには、誘致を考えている市に活力が必要です。沈んでいる市に投資してくれる民間事業者はありません。市に活力があり、まちが賑わっていること、将来性を感じてもらえることが民間投資につながります。

ですから、まずは市に活力を生み出すことがスタートで、その計画案や首長と議会の双方に意欲があれば、民間事業者もそれに合わせて投資してくれることもあります。まず県や市が将来のあるべき姿を示し、中期計画やまちのビジョンを示すことが求められます。政策に欠けていることや、中期計画に将来の核となる事業が描かれていないと、民間事業者はまちに魅力を感じないのは当然のことです。それ以前に県民や市民の皆さんがまちの将来に魅力を感じないことになるのですが・・。

そこで和歌山県です。和歌山県には熊野古道と高野山に代表される世界遺産や白浜町や那智勝浦町などの温泉、県内各地に見られる優れた自然環境、食材があります。外国からの視点では「和歌山県は魅力的な地域」となることを伝えてくれました。

話の中に高野山には「外国人に向けて一泊20万円もする宿坊があります。ここは高級ホテルのような施設で、半年以上先まで予約で埋まっています」と話してくれました。地元でさえ知らない情報を説明してくれたのです。

つまり富裕層の外国人からすれば「日本の精神性に触れられる寺院や自然に魅力を感じるのであって、大都市やブランドなどの買い物は珍しくもないので、日本らしさを求めて来日している」のです。

だから「和歌山県の観光資源は滞在型のもので、ゆったりできるリゾート性を有しており、寺院や食べ物、温泉や夕日、そして歴史がある魅力的な県」に感じてくれているのです。

外国に行くと観光地もさることながら、人々が行き交うまちの日常風景でさえ新鮮に映ります。地元の人にとって特別なことではない日常の風景が観光資源になるのです。和歌山県民には魅力的に感じていない日常風景が外国人観光客にとっての非日常の景色であり、新鮮に映るのです。

話を聴いて「なるほど」と感じました。和歌山県の食べ物や自然、そして寺院や歴史そのままを観光資源として外国に紹介すれば「和歌山県に訪れたい」と感じてもらえるということです。

後は民間投資を促すため、市が活力を取り戻すことが大事なことです。地元の人たちが諦めているまちに「投資をする県外の、そして外国の事業家はいません」ということです。

そのため目標としては「日本人の所得は30年近く伸びていないことや、円安のため今では所得水準は低い国になっています。これから10年後には所得を2.5倍にすること。具体的な数値として、ここを目指すべきです。国力を維持するためには日本全体で底上げをすべきですが、先んじて和歌山県が県民所得を10年後には2.5倍にすることを目指すべきです」との指摘がありました。

具体的な政策を立てて実行すれば、達成可能な数字だと思います。県の潜在能力と観光資源があるので、今はできない理由は考えないことです。この目標を目指さなければ和歌山県に将来はなく、このまま沈んでいくことになります。

県民所得が増えると若い人が戻ってきて活力が生まれる。人口が増え経済も循環することになります。具体的な目標を示すだけでも和歌山県の将来が見えてきそうです。

そしてリーダーには皆さんの話を聴いて、その中から良い取り組みを選択する能力が必要です。そんな和歌山県になりたいと思える会議でした。

問題はいつからスタートするのかですが、今からが答えです。

その他
  • 和歌浦の方と懇談した時、この方は「和歌浦は活力が失われていると言うけれど、この地は便利で住みやすいところです」と話してくれました。笑顔と自信をもって話してくれたことが印象的でした。
  • 企業誘致に関する会議を行いました。候補となる地点の視察とインフラの説明を希望されているので、来週以降に対応していきます。
  • 健康体操とお話しの会に参加しました。集まっている皆さんは、いつまでも健康でいるために週に数回集まって体操と話を楽しんでいます。僕は今回初めての参加でしたが、笑顔の皆さんと接して元気をいただきました。