活動報告・レポート
2024年1月17日(水)
和歌山文化協会新年懇親会
教育者との話

教育関係者と懇談する機会がありました。「最近の子どもは叱られた経験がないので、教育現場の指導は難しくなっています」というものです。近年は、叱るよりも人は褒めて育てることに重点が置かれています。

教師は生徒の良いところを見つけて「うまくできたよ。今のやり方を覚えておくと、次の問題も解けるから」など、ミスよりもできたことを褒めているようです。

「叱ることと褒めること、どちらも必要だと思いますが、そうはいかないので学校教育は難しいのです。イーロン・マスク氏が『日本はこの世界からなくなるだろう』と言ったとか言わないだとか言われていますが、それは日本が叱ることのできない緩い社会になっていることを示唆しているように思います。先輩たちが脈々と築いてきた日本を護るためには褒めることの中に、少しだけでも叱ることを加える必要があると思います」という話です。

昭和の時代とは違いますから「昔はよく叱られた」だとか「先生や先輩があの時、叱ってくれたから今がある」などは言えませんが、当時のようにやさしさの中に愛情を持った厳しさも必要だと思います。

子ども達が将来、国内だけで仕事をするのであれば、外国と関わらないでも良いならいいのですが、国際社会において外国の国々と関わりなく生きることはできません。生活の大部分に国際社会がつながっているので、国際社会で生きているためにはやさしさと強さが必要です。それをやさしさと強さを引き出す手段として、時には先生は生徒を叱ることも必要だと思います。

和歌山文化協会新年懇親会
和歌山文化協会新年懇親会

和歌山文化協会が主催する「新年懇親会」に出席しました。茶道部や華道部、吟詠部を始めとする各部の皆さんが一堂に集まり、新年の交流を目的とした会です。会長の挨拶、新春の舞踊から始まり、賛助会員さんによるマジックも披露してくれました。

和歌山県の文化の発信は、かねてから和歌山文化協会がその一端を担ってきていますが、現在も伝統文化の普及と楽しさを伝える活動の中心を形成していると思っています。会員の皆さんは会の活動を通じて、多くの方々に文化の楽しさを味わってもらうことや伝統文化を継承していくことに懸命です。

社会変化と趣味の多様化などから、以前のように伝統文化としての生け花やお茶を習う慣習はなくなりつつあります。若い会員の加入が少なくなっているのはその表れであり、看過できないと感じています。

また、どんな道でも究める道は険しいけれど、時には楽しむことができ文化の素養を身に着けることは生活を豊かにしてくれるものです。誰でも気軽に参加して楽しめる文化活動の普及に努めている協会の存在意義は大きいと思っています。

各部の役員さんは師範などに昇りつめ、道を極めている、又は極めようとしている方々ですが、日本文化を楽しみたい人の参加も求めています。生け花やお茶は当たり前のように継承されているのではなく、道を切り開いた誰かが受け継いで次の世代に伝えてくれているのです。そんな地道な活動を続けるための母体が和歌山文化教会であり、将来とも和歌山県に必要な組織だと思います。

和歌山文化協会新年懇親会

伝統や文化は消えてしまうと復活させることは難しいものであり、かつ会員か減少していくことも維持することが困難になっていく過程です。文化活動は日常生活に刺激を与えるスパイスであり、日本人として必要な素養や品格を形成してくれるものです。

先の話にもあるようにイーロン・マスク氏の「日本はこの世界からなくなるだろう」の発言の意味の一つには、教育に加え自国の文化を継承できないことも念頭に置いているように思います。そうならないためにも、文化活動を担っている組織は大事だと思います。

これからも和歌山県の文化活動の中核を担う組織であり、活動を続けていくことを確認する新春の会となりました。主催してくれた役員の皆さん、各部からの出席者の皆さんに感謝しています。