活動報告・レポート
2024年1月6日(土)
卓話
卓話
高木歓恒師の卓話

「ナームの会」に出席して高木歓恒師の卓話を聴かせてもらいました。毎年、1月のこの会は高木氏の卓話が恒例で、毎年、新春は師の卓話から始まっています。今回も「善と悪」や「掃除で清める」話を聞かせてもらいました。

善と悪を決めるのは主観であり、本当の善と悪は定義できないことを伝えてくれました。多くの場合、自分にとって都合の良いことは善であり、都合の悪いことは悪と判断します。あくまでも自分の見方なので、人によっては善と思っていることが悪になることもあれば、悪と思っていることが善の場合もあります。本当の善と悪を決めることは難しいことだそうです。

そこで「凡夫のこころ」なるものを教えてくれました。師は私達に心を込めて暗唱してくれました。

「み法聞く身となるまでは 己が心のおろかさを 知らず我こそ善人と 思い上がっていたけれど 気づいてみれば恥ずかしい 知恵も力もないくせに 己が力でなにもかも 出きるやれると思い込み 生きているのも我が力 食うているのも我が力 誰の世話にもならんぞと 力む我が身の身体さえ 生まれた時から死ぬるまで 人のお世話になりどうし
吐く息、吸う息、みな空気 水一滴もみ仏の 恵みなければ、得られない お陰を知らず、愚痴小言 我が身勝手を棚に上げ 人の落度のあらさがし よその秘密を聞きたがり 言うなと言えば言いたがる 人が困れば、うれしがり 友の成功、ねたましい 少しのことを恩にきせ 受けたご恩は、忘れがち 見よと言われりゃ見たがらず 見るなといえば、なお見たい するなと言えばしたくなり せよと言われりゃ嫌になる 天の邪鬼ではないけれど 素直になれば敗けたよに 思う心のひねくれを どうすることも出きぬ我 あぁはずかしや、我が心 地獄行きとは我がことよ それを地獄にやるまいと 四十八願 手をひろげ 救わにゃおかぬご誓願 弥陀のご恩の尊さを 知らせ給える祖師知識 ああ、ありがたや 南無阿弥陀仏」
(作者 不詳)

人とは本当に自分勝手なものなのが本質であり、修行をしてもなかなか抜けきらないのが本当のところ。けれども、だからと言っても「凡夫」を受け入れるばかりでは人として成長することはないので、人生の修行を続けるべきであることを教えてくれています。

また「掃除をすることは心をきれいにすること」だと教えてくれました。仏教では「1に掃除、2に勤行、3に学問」と教えられています。勤行よりも、学ぶことよりも、掃除が大事だという教えです。つまり掃除をして心を磨いている人、心をきれいにしている人だけが勤行か学問に進めるのであって、心がきれいでなければ勤行も学問も意味を成さないことを言っているのだと思います。

掃除をすることは心をきれいにすること。これまでも記したように、自分がお寺の境内などの掃除をしている時に感じていることが、仏教でそのままの教えとして存在していることを知りました。

率先して掃除ができる人は凄い人であり、勤行も学問もできる人だと思います。

世の中、自分が中心で回っていると思っている人が多いけれど、仏教の教えによるとまさに「凡夫」なのでしょう。心しておきたいことです。

同窓会
向陽高校過年度卒業生同窓会

向陽高校過年度卒業生の同窓会が開催されました。3年前に向陽高校を卒業した皆さんが一堂に集まって成人式を兼ねての同窓会にお招きをいただきました。溌剌とした皆さんとの時間は溌剌となった時間でした。開会にあたって挨拶をさせていただきました。

皆さん、同窓会の開催と今年、成人式を迎えられることをお祝いいたします。おめでとうございます。コロナ禍の時代に高校生活を過ごし、大変な環境に打ち勝って大学生として新しい生活を得た皆さんに心から敬意を表します。前途が明るい向陽生に祝福の言葉を述べようと思っていましたが、今回はお正月に発生した能登半島地震に触れたいと思います。

お正月に発生した能登半島地震は他人事ではなく和歌山県として応援を行っています。皆さんも同じ気持ちを持ってくれることを望んでいます。既に和歌山県内からは140人の職員さんが現地入りして救助や支援活動を行い、1月4日にも第二陣が出発していて支援活動を行っています。

また電力設備も被害を受けていることから、電力関係者も現地入りして仮復旧のための作業を続けているのです。これらの活動の報道はされていないけれど、石川県の地震に対して和歌山県は即座に応援を行っているのです。和歌山県だけではなく全国の府県から応援のために現地入りしています。

ここから気づいて欲しいことは、学んで欲しいことは、社会では自分が気づいていないところで誰かが助けてくれているということです。自分が無事に高校を卒業できたこと、今、こうして大学生活を続けられていること、和歌山県内はもちろんのこと、関西や首都圏で生活をしていられるのは家族、友達、先生方など周囲にいる多くの人の支援があって成り立っていることを知って欲しいのです。自分だけで高校生活も大学生活も、そして今の生活も、成り立たせることはできないのです。全てのことにおいて誰かが自分を支えてくれているのです。それは周囲の人かも知れませんし、全く知らない人かも知れません。

100年以上の伝統ある向陽高校の卒業生の中でも最先端にいるのが皆さんですから、能登半島地震を他人事と思わないで、大人としてどんな応援をすべきか、できることはないか考えて欲しいと思います。

繰り返しますが、社会は誰かの支えがあって成立しています。災害が発生した時に気づくことが多いのですが、皆さんは優秀な人たちなので、今の能力に加えて、人を支えられる、助けられる人であって欲しいと思います。

最後になりますが、卒業以来、初めての同窓会の時間を仲間と一緒に楽しんでくれることを願っています。そして皆さん、成人おめでとう。お祝いを申し上げて挨拶といたします。

今年も同窓会長としてお招きをいただき、挨拶と交流の機会を与えてくれた卒業生の皆さんに感謝しています。