活動報告・レポート
2023年12月9日(土)
四万十から

令和5年に四万十市で開催された「龍馬World in 四万十」大会でご縁をいただいた松本さんが和歌山市を訪ねてくれました。四万十大会で知り合い「次回の和歌山大会には来て下さい」と案内を行い、故郷の偉人である陸奥宗光外務大臣のことも説明しました。そうしたところ和歌山県に興味を持ってくれたのです。

松本さんから「私は外国で30年ぐらい仕事をした経験があります。その時に日本の歴史を学ぶ教科書にしていたのが落合莞爾先生です。落合先生の歴史が日本の歴史であり、落合史観とも言える価値を伝えるべきだと思っています」と話があったのです。

僕は「落合先生は和歌山県の方ですよ」と伝えたところ「落合先生は和歌山県の方なのですか」と答えてくれました。

「落合先生は僕にとって憧れの存在であり会ってみたかった方なんです。今年中には和歌山県に行きますので是非、会わせてください」と依頼があったのです。そして今日、松本さんが来県してくれることとなり、落合先生を訪ねました。

落合莞爾先生と歴史談義

三人で歴史談義を交わしたのですが、松本さんは「私にとって落合先生は永遠の憧れです。
先生の歴史観と考え方を子ども達に伝えることが私の役割だと思っています。先生が書き記してくれたことを子ども達に伝えたいのです。誰かがやらなければ次の世代に引き継ぐことはできません」。

そして「私はモナコ公国にもいました。先生は私の憧れですから私にとってのグレース・ケリーであり、オードリー・ヘプバーンのような存在です」と話してくれたのです。こんなフレーズで語る人は初めてなので、今日の出会いの意味を感じました。

歴史は散らばっているパーツを集めて塊にすることで、おぼろげながらその人物を推測することができます。そこから創造力を発揮して人物像を創り上げ言葉や行動を推理して命を吹き込みます。そのように仕上げていくことで、その時代の出来事を元に作ったものが歴史観なのです。

推定したことは自分が正しいと思っていることなので、「間違っているかも知れませんが」と言う必要はありません。正しいか誤りかは聴く人が判断するものであり、自分は正しいと主張すれば良いのです。松本さんが海外で仕事をした経験を元にした日本史観を話すと、落合先生は見解を付していきます。ハプスブルク家からロスチャイルド家まで登場した学びのある時間となりました。

また落合先生は「一人が理解してくれたら、それで良いのです。一人の熱心な理解者があれば自分の考えを語ってくれます。言葉や行動、そして著書など残したいものを伝えることが出来るのです。理解者が一人いれば、後は付随の価値と考えると楽になります。多くの人に理解を求める必要がなくなるからです」という話をしてくれました。

以下は参考になる話です。

1.対の考え方

世界は相対性で構成されていることも説明してくれました。相対性とは、対になるものが存在するから、もう一方が発生するということです。プラスが存在するためにはマイナスの存在が不可欠であり、陽子が存在するためには反陽子が必要だということです。また正義は悪があるから存在していますから、悪の存在を知らなければ正義を知ることはできないということです。

物事は対があることを前提に考えると分かり易くなるということです。

株の売買には先物買いという制度があります。まだ価格が上がるかどうか分からない段階で売ったり、買ったりする制度です。現実、ここにないもの、価値のないものを売り買いするのは不思議ですが成立しています。しかもないものを取引することで値段という価値をつけるのです。

この先物買いが成立するための条件は、売りと買いが同時に発生することです。売りばかりの注文が入っても価値がつかないので取引は成立しません。売り注文に対して買い注文が入るので価格がつき取引が成立するのです。

つまり今ここに価値がないものを取引することで質量を与えます。質量とは重さなので現実に存在させることになります。今ここにないものを取引することで。質量を与え現実のものにしてしまうのです。これも対の考えから来ているものです。

つまり、今ここにないことでも、それと対のものがあると存在させてしまえるのです。

2.カバラ思想

カバラ思想とは12世紀から13世紀頃に形成されたユダヤ神秘主義、神智学の発展した形態をいいます。ユダヤ教の一連の秘教的な教理とも言える思想です。

カバラとは数字を神秘的なものとして崇拝するもので、お金の考え方もここから来ているかもという説です。ユダヤ人はお金儲けが上手だとかビジネスに長けていると言われることがありますが、それはカバラ思想から解釈すると次のようになります。

お金を稼いで数字が増えていくと数字の神様が喜びますし、数字が下がっていくと数字の神様に申し訳ないと考えるのです。お金を稼いで数字を増やすことが神様に喜んでもらえることになるので、お金を稼ぐことに熱心だとの考え方です。