活動報告・レポート
2023年11月15日(水)
地域の経済と雇用事情
地域の経済と雇用事情

陸奥宗光外務大臣の功績を伝え、令和6年の全国大会の案内のため、知り合いの会社、4社を訪ねました。故郷の偉人の功績を知っていただき、来年の「龍馬World in和歌山」大会の案内も行いました。話が一段落した後、地域の仕事と雇用情勢などに関する意見交換を行ったところ、厳しい地域事情が浮かび上がってきました。

  1. 新卒者や若い人を採用したいと思っていますが、募集をかけても全く集まりません。若い人は地元の高校を卒業して県外に進学してしまうと地元に戻って来ないのが現実です。このまま若い人が戻ってくれないと地域は疲弊してしまいます。若い人が地元で働いてくれないと地元に将来はないと思います。
  2. そんな若い人たちが希望するのは賃金よりも休日と労働条件に変わっています。週休二日は絶対要件ですし、時間外の仕事はしたくないようです。週休二日と定時で仕事が終わることが就職の条件なので、雇用する側としては厳しい選択になります。
    このことは2024年問題とリンクしているので、会社として対応を考えているところです。週休二日と勤務時間の制約がでてくるので、仕事量は同じだとしても新規に人を増やさなければならないと思っています。その場合、人件費が増えるので、依頼を受けた仕事の見積額も増えることになりますから、社会として2024年問題で発生するコスト増を認めるように仕向けて欲しいと思います。これは一事業者として対応できない問題なので、県政、市政にお願いしたいとこです。
  3. 仕事を公募しても若い人が集まらないのでシルバー世代の方に働いてもらっています。定年などで一旦、仕事をリタイアした人は真面目で熱心であり十分戦力になっているので、とても有り難いと思っています。地域では若い人の雇用の代わりに高齢者雇用をせざるを得ない現実があるのです。高齢者の社会参加と生きがいの観点から、この現実は肯定したいと思っていますが、地域の将来を考えると喜んでいられないと思います。
    若い人に地元に戻って来てもらえるしかけや雇用創出をお願いします。私の会社に来て欲しいという願いではなくて、地元企業に就職してくれないことには相乗効果が生まれないからのお願いです。地域で自分の会社だけが発展することはありません。どの業種であっても若い人が戻って仕事をしてくれることが、地域全体の発展につながるのです。
    県政においては若い人材が戻って来てくれるよう、ITやAIなどの分野の会社の誘致をお願いします。
  4. 地域では福祉関係の学校や仕事はあるのですが、ITの会社や仕事は少ないのです。若い人が望んでいるのはITなど情報系の仕事です。IT会社や学校があれば地元に留まってくれる、戻ってくれると思うのです。和歌山県政にはIT系の専門学校や大学、会社を誘致して欲しいと思います。若い人は地元でパソコンを使った仕事に就きたいと希望していますし、和歌山県内ではそんな会社が少ないので必要だと思います。ITの会社で雇用が増えてくれたら、それに付随して私達の仕事も増えていくのです。人が戻ってくれることで地元に新しい雇用もが生まれると思います。
  5. 公共工事では入札金額が下がっています。競争社会なので駄目だとは言いませんが、地元資本の会社は大手と比較して資金の体力がないので、利益をギリギリにして入札しています。だから落札しても全く事業運営が楽にならないのです。事業を動かしているだけの状態になるので将来計画が立てにくいのです。人の採用や事業拡大など、地元に貢献したいと思っても資金がないのでできないのです。入札を否定するつもりは全くありませんが、適正利潤を乗せた金額がどの程度なのか考えていただき、あまりに低い入札でならないことも考えて欲しいと思います。若い人の採用がない、地元企業の利益が薄い、人口減少と高齢化で地元市場が縮小しているため、このままでは地元から企業がなくなってしまいます。
    県政は地方の現実を分かってくれているのか不安になります。
  6. 和歌山県内の仕事は減少しています。現在、会社が維持できているのは県外の仕事をしているからです。大阪府や沖縄県、関東では川崎市などの仕事をしています。現在、和歌山県ほど仕事の少ない県はないと思います。多くの同業者は、私の会社と同じように県外の仕事で回していると思います。県外仕事は予算額が大きいことから利益率も高いのです。和歌山県内での仕事で利益が少ない分、県外の仕事で補えているのです。
    従業員には無理を言って県外に出向いてもらっていますが、できれば地元で仕事をしたいと思っている人がほとんどです。一週間、泊まり込みで仕事をして週末に帰ってきて、また週明けに出掛けるようなサイクルでは和歌山県に会社を置いている意味がありません。和歌山県の現状を変えてくれるよう県政に期待しています。

訪問した会社から、和歌山県内での仕事と雇用の現実と課題を聴かせてもらいました。大きくて深刻な課題だと認識しているので、県政として対応できるよう取り組んでいきます。

その他
  • 「龍馬World in 和歌山」実行委員会が開催され、本大会の企画と今後の進め方の議論を交わしました。
  • 来春のイベント企画の出店に関する会議を行いました。この件に関して数社の協力を得られたので、イベント内容を詰めていくことにしています。