活動報告・レポート
2023年11月7日(火)
福山駅周辺再生の取り組み
福山駅周辺再生の取り組み

官民連携による福山駅周辺再生の取り組みを、開発事業者である福山市地元の「トモテツセブン」から聞かせてもらいました。

2017年3月、福山駅前再開発協議会を開催してから7年近くが経過して、ようやく再開発の姿が現実になっています。説明を聞いて、関係者の皆さんの福山駅前を再生するという強い思いと実行力の賜物だと感じました。

この再開発は三社の共同事業であり「当然、考え方も資金力も違うので、最初は大変だった」ということでスタートしました。しかし顔を合わせての会議で意見を言い合うことでお互いが理解できるようになり、広島県や福山市の協力を得られたことで、まとまっていったのです。

福山駅周辺再生の取り組み

まとまっていった大きな理由は「各社と行政の担当者の人柄がとても良かった」ことだそうです。多くの事業や仕事は、携わる人の人柄によってまとまるか、壊れるかに影響があります。説明を聞いて、熱意と協調性のある人と資金があったこと、広島県と福山市と連携を図り支援を受けられたことが再開発の進んだ理由だと思いました。

最初に決めたことが事業計画のコンセプトです。これは三つあります。

  1. 福山の未来を予感させる場
  2. 今までにない交流の場
  3. エリアの価値を高めるきっかけの場

これらのコンセプトから「駅前周辺に波及展開するウォーカブルエリアを象徴するプロジェクト」が進むことになるのです。「目指す方向が決まるとみんなの気持ちがひとつになっていきました」と話してくれたように、目標を明確にすることがとても大事なことです。

簡単なようですが、覚えられるような簡潔で分かり易いコンセプトを決めることは案外難しいものです。ここでは街づくりの専門家に関わってもらって、みんなで話し合いながら決めたそうです。

再開発の話を進めていく中で「福山市の知名度は全国からは低いのが現実。隣の倉敷市や尾道市は有名なので駅前の再開発があるとすれば大手や人気チェーン店などの出店は見込まれますが、福山市はそうはならない」ことを前提に街づくりを考えたのです。

福山駅周辺再生の取り組み

その結果、人気のチェーン店の出店に拘ることなく地元のお店を大事にすべきでだと考えたのです。東京の街づくりの専門家の方は、とにかく福山駅前周辺の街を歩いて周ったそうです。そこで気になったお店があれば訪ねて、再開発したビルにテナントとして出店してもらうようお願いをしたそうです。

とにかく地元と連携しなくては成功しないので、再開発したビルのテナント出店者も利益があがり、周辺のお店にも賑わうような連携が必要だと考えたのです。ここで「地場産業、地域企業と結びつき、新たな化学反応を起こす役割を果たす」ことや「ローカルファーストにより地域経済循環増に寄与し、ヒト、モノ、経済を活性化させる」ことを目指したのです。

地元との連携と理解を得られるように取り組みを進め、再開発事業は進展し、現在、建設工事に着手しています。令和6年の秋には、福山駅前には北棟、中棟、南棟のみっつの商業施設がオープンすることになりますから、一気に玄関口が変わり、人の流れもできることになります。

福山駅周辺再生の取り組み

また今後ですが、福山駅にある今の交通結節機能は残しながら、人が集えるような広場機能を付加したいと考えていることを説明してくれました。駅にとって交通結節機能は重要ですが、それだけでは人は駅周辺に滞在してくれませんし、集まってくれません。交通の利便性と広場機能を持たせることによって駅前再開発を更に進めていくことを目指している福山駅周辺再生の取り組みです。

説明を受けた後、再開発が進む福山駅周辺を歩いて回りました。案内してくれた皆さんに感謝しています。ありがとうございます。