活動報告・レポート
2023年11月3日(祝・金)
清姫伝説・恋の炎
龍馬World in 和歌山

「龍馬World in 和歌山」大会に係る打ち合わせを行いました。先週、四万十市で開催された全国大会を体験したことから「四万十大会に負けない大会にしよう」と実行委員会では話していますが、そのための企画と準備が必要です。体制を整えて協力してくれる人に実行委員会に参加してもらうことを進めています。

県外からの協力者も名乗りを上げてくれるなど、広報をすることで少しずつですが知られてきたように感じています。昨日の記者発表でも話しましたが、全国大会は単に坂本龍馬を称える大会ではなく、その志と行動力を開催地で伝えることにあります。参加してくれた人が龍馬の意思を再確認する機会となり、開催地の人は地元に誇りを持つことを目指しています。

そんな全国大会を和歌山県に誘致したこと、来年開催することの思いを伝える活動をするための方法を話し合いました。

清姫伝説・恋の炎

フラメンコアカデミア「ラ・ダンサ アンダルシア」主催の「清姫伝説・恋の炎」を鑑賞しました。森久美子先生の代名詞である「和のフラメンコ」であり、これまでよりもスケールアップした舞台になっていました。全国的に有名な「安珍と清姫」の物語を和のフラメンコ、特に炎で表現した舞台は感動でした。

出会った時の情熱の赤の衣装が、安珍の態度によって清姫の衣装は徐々に黒い色に変化していきます。踊りの表現と共に衣装にも変化を持たせています。爽やかで安堵感のある最初の場面から、安珍が熊野に出掛けた後に追いかけていく場面の清姫の心は、炎のような赤色へと変化していきます。ただ心と衣装に赤と黒が入り混じっているのは「まだ気持ちがあるかもしれない」という清姫の期待の表れのようです。

やかで清姫の燃え滾る炎が道成寺の境内にある鐘を包み込みます。安珍の姿を見た清姫は我に返り「大変なことをしてしまった」と悔やみ自害することになります。

場面は転換し、安珍と清姫の二人の衣装は白になっています。この世での出来事は忘却の彼方へと封じ込めたことから次の世界で再会したのです。赤から黒、そして白へと心が変化していく場面設定から「炎のような赤い心、清い白い心こそ私達が持つべき心であり、妬みや追い詰めるような黒い心は、本来、人が持つべき心ではない」ことを教えてくれているようです。

今回の舞台も、森久美子先生と森久美子フラメンコ舞踊団の皆さんは、感動の「和のフラメンコ」を演じてくれました。

早いもので令和6年は、熊野古道が世界遺産に登録されてから20周年を迎えることになります。熊野古道を世界遺産の登録を目指して活動していた頃の和歌山県を思い出します。

日常生活で歩いている道、自動車が通る細い道を、世界遺産を目指す価値のある歴史の道であり、後世に残すべき地域であるとは地元を始め多くの人は思っていませんでした。

歴史の道としての価値を知ってもらうために開催されたのが「南紀熊野体験博」であり、この成功によって世界遺産登録へと道がつながったのです。

当時、和歌山県と地元市町村、そして体験博に携わった私達全員が、熊野古道は世界遺産にする価値があると信じたこと。歴史の道としての価値を地元や県民、そしてわが国が認めたこと。歴史の道だけではなく信仰の道であり高野山を含めた日本人としての高い精神性を訴えたこと。そんな思いと行動が20年前に結実して、熊野古道を世界遺産へと導いたのです。

そして熊野古道を世界遺産に登録するための仕掛けの一つが、スペインのサンティアゴの道との姉妹道提携です。既に世界遺産に登録されていたサンティアゴの道と姉妹道提携をすることで、世界の国や人達に世界遺産の価値があることを知ってもらったのです。

当時、道で世界遺産に登録されていたのはサンティアゴの道だけであり、熊野古道は世界で2番目の世界遺産の道となりました。

今回の「清姫伝説・恋の炎」では熊野古道も、世界遺産の山々も映像で登場しています。世界遺産登録20周年を分かった上での演出ですが、これも和歌山県の文化的、歴史的価値を発信してくれるものでした。

舞台のカーテンが降りた後、私達は隣同士で「感動しましたね」「素晴らしかった」など言葉を交わしました。文化の秋に素晴らしい「和のフラメンコ」を魅せてくれた出演者の皆さんに感謝します。感動の舞台をありがとうございます。