活動報告・レポート
2023年11月1日(水)
大飯原子力防災センター視察
大飯原子力防災センター視察

おおい町にある大飯原子力防災センターを視察しました。この施設は原子力施設が津波や巨大地震などで被害を受けた場合、防災対策の拠点となる施設です。センターに入るとその広さと備え付けられた機器などの設備に驚きました。これまで防災センターは何度か視察したことがありますが、これほど広くて充実した施設は初めてです。

部屋が広いのは建物が体育館仕様になっているからです。福井県やおおい町は勿論のこと、京都府や周辺市町の机もあり、被災現場と本部と共に情報を共有しながら対応できるしくみになっています。関係個所が同時に情報を共有できるので伝達漏れや時間のずれはなくなります。しかもリアルタイムで被災現場の状況や数値などをモニターで把握しているので迅速な対応が可能となっています。

この施設は福島第一原子力発電所事故の教訓を生かした施設になっているので、対応が遅れた原因を取り除くようなしくみをつくり上げています。

まだ訓練以外に一度もこの機能を使ったことがないようですが「使わないことが良いこと」だと説明してくれました。そう、使う事態になることは事故が発生したことを意味するからです。

緊急時への備えをしている防災センターがあることは安全対策として二重三重の対応をしていることだと思います。エネルギーの安定供給と安全安心のために備えをしてくれている現場を視察して、見えないところで社会を支えてくれている人達がいるから、安心できる社会が築かれていると感じました。

また福井県が、関西のエネルギー供給県になってくれていることにも感謝したいと思います。道中、「黒部川第四発電所」建設のドラマを見せてもらいましたが、電源開発は国家の将来を左右するものです。

当時、世紀の難工事と言われた難しい工事を担当してくれた人や会社があった理由は「電源開発こそ国家の発展に不可欠なもの」だと理解していたからです。国家の発展と私達の生活を護るためには大規模な電源が必要で、それが黒部ダムだったのです。工期はわずか7年で、それより遅れると「電力が不足するので関西経済は混乱する」状況だったのです。工期内に完成させることは難しいと思われましたが、多くの犠牲者を出しながらも、結果として7年で完成させているのです。

先人たちが、この国の将来のために命を懸けて完成させてくれたことに感謝です。

ところで現在は関西の電源立地は福井県が主力なので、和歌山県を始めとする各府県はその恩恵に預かっています。この国の将来、関西の経済と生活をエネルギー面で担ってくれている電源立地県に感謝です。

松栄館 東郷平八郎 掛け軸

そして帰路、舞鶴市にある明治37年に開業している松栄館にも案内してくれました。舞鶴鎮守府初代長官の東郷平八郎を始めとする旧海軍御用達の老舗旅館だと聞きました。庭には「さざれ石」が置かれていて、館内に入ると東郷平八郎の掛け軸や関係する資料が展示されていました。展示場には語り部さんがいて東郷平八郎の時代を丁寧に解説してくれました。

現在、明治の空気を感じる建築物として「海賊とよばれた男」や「日本のいちばん長い日」などの映画の撮影がされたそうです。

本日、私達にエネルギーの勉強の機会を頂戴したこと、その企画を練り案内してくれたことに深く感謝しています。初めて視察に参加した方もいて、エネルギー問題を考える契機になったと思います。