活動報告・レポート
2023年10月25日(水)
写真作品

写真展に出展するための写真を選んでA3にプリントするための話をしました。フォトスタジオの担当をしてくれた方が、とても親切に対応してくれたことに感謝しています。

今回の作品は「青の薬師寺」と「鳴き龍」の二点です。昨年の写真展に引き続いての出展となりますが、出展の案内をいただいた主催者にお礼申し上げます。いつも訪れた先で写真を撮影していますが、写真展を意識したものではなくて「良い景色だな」「ユニークなので写真で残しておこう」と思ったものを被写体にしています。

「青の薬師寺」は当初、薬師寺と夏の青い空の眩しさの光と影のコントラストの光景を選ぼうと思っていたのですが、直前になって秋の薬師寺に変えました。

薬師寺と眩しい夏空も良いと思ったのですが、秋から冬に向かう今は、うろこ雲と薬師寺の光景の方が適していると思ったからです。夏の名残を残しながら短い秋の季節を感じてもらえたらと思います。短い秋は長かった暑い夏から逃れてホッとする季節であり、もう訪れようとしている冬の足音が静かに聞こえてきそうです。

何よりも短い秋とは、人生の秋と似て、学ぼうと思わなければ時間は無駄に過ぎていくことを、心の処方箋を授けてくれる薬師寺と掛け合わせた光景をテーマにしています。

心の修行の場でもある薬師寺は秋の光景が似合います。一瞬で秋を感じさせてくれるうろこ雲が天井に伸びている光景は秋の薬師寺そのもので、「青の薬師寺」のタイトルは「眩しい夏を終えて人生の収穫の秋に向かう薬師寺の空は息を飲むような深い青ではないけれど、薄い青色は奥ゆかしい人生の青を表現してくれています。深い青ではないけれど薄い青の中に薬師寺と重なり合って深みのある青を感じてもらえると幸いです。

ところでうろこ雲を調べると「幸福と繁栄の象徴」「幸運が舞い降りる兆し」と書かれていました。こんな縁起の良い光景を訪れてくれた方と一緒に感じたいと思っています。

もう一つが「鳴き龍」です。これは高野山南院の天井に描かれている龍の絵ですが、この龍の下で両手を叩くと龍の鳴き声が響くのです。このことから「鳴き龍」と呼ばれているのですが、僕もお寺を訪れて手を叩いたところ「龍の鳴き声」が聴こえるのです。写真を見て、ユニークな表情の龍から鳴いている声が聴こえてくれるなら嬉しいことです。和歌山市内で南院と同じような龍の鳴き声が聴こえたら「招福」が訪れると思います。

作品展への出展の案内をいただいたことから写真をA3に引き延ばすことになりましたが、もし主催者から案内がなければ、写真作品にはなりませんでした。そうであれば写真の意味を振り返ることもなく、皆さんに「薬師寺」と「鳴き龍」が発するメッセージを伝える機会もなかったと思います。

そう思うと、写真展への出展の案内をもらったことからカメラに保存している中から引き延ばす写真を選び、タイトルをつけて作品として仕上げることが出来たのです。このような機会を与えてくれた主催者の皆さんに感謝するばかりです。

令和4年の作品展を鑑賞してくれた方からは「大胆な構図で片桐くんらしい。僕には無理だわ」などの感想を聞かせてくれました。昨年出展した作品は、紀三井寺の「閻魔大王」と「浅草龍」のふたつでした。今年の写真に入れ替えるために昨年の作品を取り出して見ましたが「懐かしい」と感じました。たった一年前に撮影した写真ですが、撮影した時のことや写真展のことを思い出しました。写真はパソコンや携帯で見るのと、A3サイズに引き延ばして見るのとでは全く違うものになります。

そして昨年の作品を見ていると、出展するために選ぶ作業やタイトルを考えたこと、作品として仕上がってきた時のことなどを思い出しました。

今年の出展作品も決まったので仕上がりが楽しみになりました。そして写真展を観てくれた方からの感想を、今から楽しみにしています。