活動報告・レポート
2023年10月22日(日)
和歌山県の観光

兵庫県から和歌山市に転勤した人が「僕は歴史に興味があります。和歌山市での勤務は初めてですが、せっかくご縁があって来たのだから和歌山市の歴史を学びたいと思います」と話してくれました。

この話のきっかけになったのは「龍馬が見た夕日」の話からでした。「和歌山市の加太には勝海舟と坂本龍馬が来たことがあるのですよ」と話したところ「海舟と龍馬がここに来たのですか」と反応してくれたことです。

そこから「幕末、黒船のディアナ号が紀伊水道から大阪湾に進入しました。ロシア船が簡単に大阪湾に進入したことで幕府に衝撃が走りました。西の大事な拠点である大阪湾にこんなに簡単に進入されてしまうことは幕府にとっての危機である」と認識させるには十分すぎる事件でした。

そこで幕府は加太から和歌浦にかけての地域に砲台を設置することが必要だと考え、砲台検分のため勝海舟を派遣したのです。そこに坂本龍馬もお供してきたことになります。和歌山市に勝海舟が宿泊していた記録があり、加太にも宿泊したようです。また龍馬も勝海舟が加太に行ったことから後を追って訪れたようですが、その詳細は分かっていません。

ただ西の海に沈む夕日を見たと思われることから、加太では「龍馬が見た夕日」を今も見ることができます。加太からは紀伊水道、友ヶ島、淡路島と四国、そして九州などの島も背後に観ることができるので、夕日がきれいなビュースポットとなっています。

現在、アニメの聖地と言われることのある友ヶ島と幕末の英雄が訪れた加太は、このコンテンツを売りにすることでさらに観光客を呼び込むことが出来ると思います。

「和歌山市には勝海舟と坂本龍馬が訪れた歴史があるのですね。紀州と龍馬との間には、いろは丸事件もありますし、歴史の表舞台にはないけれど、是非とも知ってみたい歴史がありますね。私も和歌山市の歴史や偉人の本を読んでみます」と話してくれました。

僕からは令和6年に和歌山市で開催する「龍馬World in和歌山」の案内と「龍馬が見た夕日」の加太を訴える企画について説明しました。

歴史として語れる物語は観光資源になりますし、自然の美しさと料理のおいしさと並べて発信すれば、和歌山市観光へとつながるはずです。

令和7年の「大阪・関西万博」、令和6年は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されてから20周年の年であり、「龍馬World in和歌山」の開催年に当たります。しかもわが国と英国との間で結ばれていた不平等条約が改正されてから130年の年になりますから、和歌山県が観光の主役になれる年が続くことになります。

観光に関わる皆さんからは、大阪・関西万博が開催されることに期待していますが、今のままでは和歌山県に観光客は来てくれません。大阪の万博に来たついでに「和歌山県に行こう」と思ってくれる人はいません。今から和歌山県の観光のPRに努め「大阪・関西万博」に行く前に「万博と一緒に和歌山県観光を楽しもう」と企画してもらう必要があります。

事前の仕込みがなければ和歌山県を訪れてくれることはありませんから「大阪・関西万博」と和歌山県観光をセットにした旅行企画、旅行商品をつくることが必要です。今からでも良いので、和歌山県観光に来てもらえる企画を検討して売り出したいところです。

兵庫県から転勤した方は「せっかくの機会なので和歌山市の歴史を訪ねたいと思いますし、坂本龍馬とも親交があった陸奥宗光外務大臣や偉人についても教えて欲しいと思います。物語を読んでみたいと思いますし、所縁のある場所を訪ねたいとも思います」と話してくれました。

歴史と偉人の話により、和歌山県の魅力が伝わったことを願っています。