活動報告・レポート
2023年10月19日(木)
建機DX
ソフトバンク本社 視察

昨日県内視察を終えた建設委員会は朝から都内に移動して、ソフトバンク本社を訪ねました。この視察目的は建築現場のDXについてです。

これまでインフラと言えば、電気とガス、水道や道路などでしたが、情報通信が新たなインフラとなり、社会インフラと同じように投資が必要な社会になっています。この新しい情報インフラとは、インターネットやAI、電話やクラウドなどのことを指しています。

ソフトバンクは言うまでもなく、この情報インフラの代表的な企業であり、建設現場でもDXの実証実験を行っています。同社が建設現場のDX化進出したのは理由があります。

建設業界は高齢化と人材不足に陥っていること、労働生産性が低いこと、働き方改革に対応していくべきだという問題点があり、ソフトバンクの持っている経営資源であれば改革できると考えたからだそうです。

そのためにも、この分野にもデジタル技術を導入し、業務効率化や建設業界が抱えるこれらの課題解決を図ることを目指しています。

今回、ドローンを活用した現場の仕事やデータ解析のしくみ、現場と本社の間での言語データや写真、データなどの共有化などのソフトであるBuddy comなどの取り組みを聞かせていただきました。

ソフトバンクは、DXに関するノウハウと経験を有するグループ企業をたくさん抱えていることから、あらゆる企業や社会の課題に対応できるのです。

都会と地方との違いはありますが、現在、実証中のこれらの建機DXの取り組みを、和歌山県でも導入できないか検討することも必要だと思いました。

DXの分野に関しても、地方が新たな技術を導入していかなければ、さらに都市間格差は広がっていくと思います。

ただし、DX技術の導入に関しては、設備と人材の採用と育成などの分野に投資ができる企業であることが条件です。例えば建設現場でも、大掛かりな工事であれば、DX技術の対応が可能ですが、比較的予算の小さな現場であれば企業は建機DXへの投資ができませんから、導入することは適切ではないとの問題があります。

地方の建設現場では、比較的中小の建設会社が現場を請け負うケースが多いので、建設DX に投資するための補助金や支援などが必要となります。ここでも東京と地方都市の格差を感じました。

先進的な技術を導入するには企業の資金調達力が必要で、それを有しているのは、どうしても上場企業となります。和歌山県の場合、99.9%が中小企業であることから、建機を始めとするDX化への対応は大きな課題と考えられます。

ただ、ソフトバンク本社で建機DXや新しいデジタル技術の説明を聞いたことで大きな刺激を受けました。新しい建設DXの取り組みに関しても、導入に向けて入札のしくみや事業者選定のしくみなど考える必要がありそうです。とても良い研修の機会となりました。

ソフトバンク本社 坂本龍馬の銅像

ところで、ソフトバンク本社には坂本龍馬の銅像が展示されています。高知県立坂本龍馬記念館にある銅像と同じものが展示されているのです。前回、ソフトバンク本社を訪れた時も坂本龍馬像と会いましたが、今回、久しぶりに坂本龍馬先生との再会となりました。

坂本龍馬の特性である先進性と構想力、それを実現する実行力は、ソフトバンクが目指す企業の理想に合致しているそうです。

「より良い明日のために今日を変える」ことがソフトバンクの目指すところであり、説明を通じてデジタル技術や情報通信インフラを日本社会に導入していくという大きな志を感じました。坂本龍馬が行き詰った日本を変えようとした行動と同じように、ソフトバンクは今の日本社会を、再び世界に通用する国に変えようとさえ考えている意志も感じました。

最後に本社の職場を見せていただきました。会社の職場というよりも、街中のおしゃれなカフェで仕事をしているような職場でした。

ソフトバンクで案内を担当してくれた方からは「10年後の日本の会社はこのような職場になっているだろう。10年先の未来の職場を体験してもらえる職場です」と説明してくれました。

本社社員10,000人に対して座席は5,000人分しかなく、しかも個人の席はなく全てフリーです。本社の各階のエントランスを入ると交流スペースがあり、そこから左右に職場が広がっています。本社では職場で仕事をする必要はなく、交流スペースで仕事をしても、現場であっても、自宅で仕事をしても、仕事で成果を残せば何の問題はないということです。

「自由である限り成果を残すのは当たり前。これがソフトバンクの社風です」と説明がありましたが、建機DXの説明と職場の先進性などから大きな刺激を受けたソフトバンク本社の視察となりました。