活動報告・レポート
2023年10月17日(火)
谷村新司さん

昨日から今日にかけて茨城県東海村に視察に来ていますが、昨日の「魔法の話」と同様に、驚くと共に残念な報道がありましたので、そのことを記します。谷村新司さん訃報のニュースが届いたことです。

谷村新司さんのことは、高校生の時にヤングタウン、所謂「ヤンタン」の金曜日の放送を毎週のように聞いていたので、信じられない思いがあります。高校生の時は放送を通じてお兄さんのような存在に思っていた同級生が多かったのです。翌週の月曜日には、金曜日のヤンタンの話で盛り上がったことを思い出しています。

一流のアーティストでありながら、ヤンタンのパーソナリティになると一気に砕けた話をしてくれたので、関西の親しみのある愉快な谷村新司さんのイメージが強く残っています。当時の多くの高校生はヤンタンを聴きながら勉強をしていたと思います。金曜日のパーソナリティは谷村さんと共に、ばんばひろふみさんと佐藤良子さんが務めていて、とても楽しい番組だった記憶が溢れています。

そんな兄貴のような存在だった谷村新司さんがお亡くなりになったことは信じられませんし、心から残念に思います。少し時代の先を生きた先輩がお亡くなりになることの衝撃を感じています。青春時代をラジオ番組で楽しく導いてくれた方が、この世を去るなんて思ってもいなかったので衝撃を受けました。インターネットで「谷村新司」さんや「ヤンタン金曜日」を検索して、懐かしく携帯で当時の番組を聴きながら東海村からの帰路につきました。

そんな谷村新司さんのコンサートですが、一度だけ聴いたことがあります。「昴」や「チャンピオン」「群青」などを歌ってくれた記憶があります。コンサート会場で聴いたこれらの曲には魂が宿っていて、その歌の迫力に感動しました。「チャンピオン」は元プロボクサーのカシアス内藤選手を称えて作った曲だそうで、高校生の時にヒットしたのでよく聴いたものです。

当時は「若い挑戦者」の気持ちで聴いていたのですが、今では年老いたチャンピオンの気持ちがよく分かるようになっています。いつまでもその席に残ることはできないけれど「辞める前にやれるだけやってみせる」覚悟を示した曲のように思えます。

カシアス内藤選手は名作「一瞬の夏」でも主人公になっているように、実在したボクサーの生き様を元にした「チャンピオン」は、今も僕たちの心に響きます。「満ちたら欠ける」の言葉のように、誰であっても最盛期は続きません。もし最盛期にしがみつくなら、この曲にある「チャンピオン」でいられないと思います。挑戦者がチャンピオンになり、防衛を果たした後は、挑戦者に後を譲る時を迎える。それが人生そのものです。

とにかくアリスには「冬の稲妻」に衝撃を受け「狂った果実」や「ハンドインハンド」なども印象に残る曲です。そして金曜日の「ヤンタン」から誕生した曲が「22歳」です。番組ではドラゴン作戦と銘打ち、オリコンヒットチャートで上位に行くことを目指して番組で生まれたのが「22歳」だったと思います。高校生の僕たちは「22歳」が分からないので、随分大人の曲だと思ったものですが、自分が22歳になった時は「この曲のような大人ではなくて、やっぱり子どもだな」と思ったものでした。

結局、谷村新司さんが書いた「22歳」の世界は分からないまま通り過ぎました。

そんな青春時代を彩ってくれた谷村新司さんの訃報に接して残念で仕方ありません。アリスの曲やヤンタンなど、移動中に振り返っていました。同じ時代を生きた代表的な人がお亡くなりになることの寂しさを感じています。

心から感謝の意を表し、お悔やみ申し上げます。ありがとうございました。