案内をもらっていた和歌山フォトクラブ展に行ってきました。会場ではメンバーの八尾さんが案内と説明をしてくれました。この作品展は今回が28回目となるもので、一人3点を出展しているものです。
説明によると「写真作品のイメージの30パーセントはタイトルが決めています」ということです。観る人によって作品のイメージは異なりますが、作品名が与えるイメージは強いので、その観点でイメージを形成してしまいます。タイトルが作品のイメージと合致していれば心にすっと入っていきますから、とても大事であることが分かるものでした。
また「写真は一瞬を切り取るものなので、作品の出来栄えにはタイミングと運が影響しています。例えば空に鳥が飛んできただとか、構図の中に誰かが歩いてきたなどはタイミングと運以外ありません。鳥が構図の中に入ったことで作品が良くなる場合もありますし、使えない場合もあります。人が構図の中に入ることで作品が生きる場合もあれば、駄目な場合もあります。作者の意図するところによって仕上がりは違ってくるのです。
もうひとつ大事な要素に構図があります。どんな作品に仕上げたいのかは作者の意図によりますから構図の構成は大事です」
そして「作品展に出展する写真は家に飾れる作品とは違ったものになります。それは芸術作品を狙っているので、家に飾れる写真作品とは異なるのです。家に飾る場合は明るくて元気になるような作品に仕上げますが、展示作品は構図を意図的に暗いものに仕上げる場合もあれば、難解なものに仕上げる場合もあります。
例えばこの作品(展示している作品)はモノクロの作品に仕上げていますが、カラーだとつまらない仕上がりになってしまいます。モノロクにして、しかも影を濃くすることで深みをだしています」という説明をしてくれました。
どんなことでも同じですが、専門家や作者の説明を聴きながら鑑賞することで理解が深まります。案内していただいたカメラマンの八尾さんに感謝しています。
熊野古道を始めとする和歌山県内の観光地や歴史の跡を案内している人が、語り部の坂本さんです。最近は友ケ島や紀三井寺の案内が多いのですが「熊野古道の案内は任せてください」という話をしてくれました。
坂本さんは城南宮から熊野三山までの熊野古道全行程を歩いていますし、それ以外にも依頼を受けた案内をする前には下見に行って最近の情報を把握しています。知識と最新の現場の状況に基づいて語り部をしているので、坂本さんが案内する現場はいつも賑わいとユーモアに溢れています。
今日「私が熊野古道の語り部になる前から読んで知識を得ている本が、吉田昌生さんが書いた『熊野への道』です。吉田さんは藤白神社の宮司さんで、熊野古道が世界遺産になる前から、この信仰の道のことを記しています。語り部として熊野古道を案内している基礎がこの冊子なのです」と話してくれました。
熊野への行幸の出発地点の京都城南宮から到着地である黄泉がえりの地である熊野三山まで歩き通した人は、それほど多くないと思います。僕も城南宮には訪れていますし、滝尻王子から熊野三山まで歩いていますが、途中抜けている道もあります。また専門的には学んでいないので学術的な視点は欠けています。
「聖地リゾート和歌山」の語り部として活躍している坂本さんの語り部としての原点は先人からの学びにあります。しかも直接、著者から解説を聞いているので、知識に加えて迫力があるのです。
学びに加え現場で聴いたことや感じたことを案内しているので、分かり易く伝えられているのです。早速、預かった教本「熊野への道」を読みたいと思っています。