活動報告・レポート
2023年9月25日(月)
建設委員会
建設委員会

本日の県議会ですが所属している建設委員会の審議を行いました。僕からの質問は「老朽化している橋の点検と補修について」と「県道長井古座線の八郎山トンネルの施工について」でした。質疑内容については後日、議事録を記載することにしますが、全国的に報道されて問題になっているこのトンネル工事の問題点と、今後の原因究明や補修時期などの見通しについて質疑を交わしました。

建設委員会における質問の主な項目は次の通りです。

技術検討委員会の開催頻度は、一般質問で部長から「二か月に一度」と答弁がありましたが検証作業は急を要すると思います。そんな工程なら、検証と報告書作成、およびトンネル開通まで期間が長引くと思います。補修設計と補修工事を含めると二年、三年単位の期間が見込まれるので、数か月で終えられるようなものではなく、とても「来年に開通する」と言えるような工事にはならないと思います。

報道されているような虚偽の報告書を提出していたことや、トンネル工事の施工不良のような報告内容からすると、二か月に一度の委員会での検討では遅すぎると思います。委員会の検討、報告書の作成補修工事は急ぐべきだと思います。

また報道では和歌山県の検査が不十分だったとされています。本来であれば、約60回の段階確認をすべきだったようですが、数回だけの確認だけだったようにも聞いています。決められた通り段階確認をしなかったことに問題があります。

またコンクリート施工68か所のうち、実際に確認したのは3か所だけだったようですが、この確認のあり方に関しても仕事として疑問があります。

つまり個人で仕事をしているのではなくて、和歌山県という行政組織で仕事をしているのですから、県民の皆さんの安全性に係る仕事については、課単位、部単位、または県単位で仕事を進めるべきだと思います。

今回のトンネル工事について担当者は報告書、または伺書などの形で上司に上げていると思うのですが、報告書が上がっているなら状況把握はできていたと思います。どうして歯止めが出来ていなかったのかと考えると、県組織として大きな問題です。組織で仕事をしているのですから、先決権限のある上司に確認、報告は必要だったと思います。和歌山県組織としての問題であることも指摘しておきます。

また報道によると福本県土整備部長は「現場の記録がここまでなされていないのは驚きを隠せない」と発言していますし、委員会の大西委員長は「測量データなどの記録がほとんど残っていない。こんなずさんな工事も珍しい」と発言しています。

こんな発言があることに驚いていますし、これらの発言の元になった背景には、どんな驚くような原因があるのだろうかと思います。報告書の全容が示されていないので分かりませんが、発言の裏側にあることを知らせて欲しいと思います。

ここでの別の意味での問題点として、このようなずさんなトンネル工事があった事実が報道されたことで、全国的に和歌山県内事業者の技術レベルと意識の低さが露呈されています。問い合わせもありますし、専門家に聞くと「和歌山県は最低の仕事をやりましたね」「和歌山県は何故、このレベルの会社に仕事を任せたのか分からない」などの意見も聞いています。和歌山県として反省すべき工事事案です。

委員会の全体の議事録が示されていないので推測でしか言えませんが、報道資料によると「請負者は施工時に掘削の出来形不足を認識していたにも関わらず、適切な対応や掘削のやり直しをしていなかった」ようです。

これでは悪意とも取れますし、県民の命を守る使命を負っているという安全意識の欠如とも取れます。また「設計通り」と虚偽の報告を県にしていたと報道されていますが、本当に「虚偽報告」を受けていたのですか。虚偽報告に基づいて検査が通ったのであれば、偽装の報告をしていれば浅川組の責任ですし、決められた通りの検査をやっていなければ和歌山県にも責任があると思います。責任の所在がどこにあったのかの検証も必要だと思います。委員会での議論が分からないので、これ以上、推測で話を続けても基になる事実は分からないので確定的なことは言えませんので、議事録の公開を待つことにします。

但し、レーザースキャナーや写真測量など最新の機器があるにも関らず、それらが活用されていなかったようなので、技術レベル、管理監督者としての自覚に問題があったのではないですかと思いますし、掘削の記録がほとんど残っていないと聞いていますが、そんなことはあり得ないと思います。

記録は保存しておくことが請負事業者として当然の責務だと思いますが、なぜ保管していないのかは謎ですし疑問です。都合が悪ければ、意図的に破棄していることも考えられますが、破棄していたとしても現在の測量や必要な資料はデジタルデータで作成されていると思います。まさかアナログの資料を作成していた訳はありませんから、デジタルデータであれば探せると思いますから、県として必要なので探してください。

以上、建設委員会での質疑の概要です。

なお建設委員会においては、この補正予算案を始めとする当局から提案された議案は全て可決されました。