活動報告・レポート
2023年8月12日(土)
地域バス
地域バス

和歌山市で公共交通がない地域は高齢世帯が多く、外出、買い物などで不便さを感じています。場合によっては不便さだけではなく、買い物ができないことから生活にも影響が出ている世帯もあります。そこで和歌山市では「地域バス」の実証運行を行い、効果がある地域から順にバスの運行を始めようとしています。和歌山市による「地域バス」の定義は次の通りです。

地域バスとはバス路線の廃止によって公共交通がなくなった地域の皆さんの移動手段を確保するため、和歌山市が主体ではなく、バスを必要とする地域の方々が主体となって、計画、運行する乗合バス事業に対して、和歌山市が上限を決めたうえで支援するコミュニティバスのことです。

現在「地域バス」が運行しているのは「紀三井寺団地線」だけですが、昨年度に実証運行を行って効果を検証しているところです。

この実証運行に関しの和歌山市の見解は次の通りです。

令和4年度に、和歌山市内7地区8ルートで実証運行が行われました。7地区は路線バスの廃止などで公共交通への接続などが不便なエリア。商業施設や病院などを経由し、最寄りの鉄道駅やバス停に接続させることで、地域の特性に合った移動手段を検討したものです。

この中で利用人数が多かったなどのデータを元にして、「有功地区ルート」および「木本・西脇地区ルート」で地域バスを運行することで検討を行っています。

今後、高齢世帯の多い他地域でも「地域バス」の要望が出てくると思いますが、地元からのまとまった要望と利用人数が必要となります。公共交通がない高齢世帯の多い地域では移動手段の確保は生活のために必須条件であり、高齢世帯の多い地域の声を聞いていきたいと考えています。

とくし丸

和歌山市吉礼にあるスーパーマーケットが令和5年7月末で閉店となりました。閉店まで長い年月にわたり地域で営業を続けてくれたことに感謝しています。スーパーがあったことで当該地域の皆さんの生活が快適に過ごすことが出来たと聞いています。

時代の変遷と共に、この地域も高齢世帯が増えていて、運転免許証を返納したなどの理由で買い物ができない世帯が増えています。

この地域で集会を行ったときの要望の一位は「スーパーが閉店したので買い物ができる環境をつくって欲しい」であり、二位は「公共交通、路線バスがないので出掛けることができない」というものでした。つまり代わりのスーパーに来て欲しいこと、移動手段の確保が要望なのです。

高齢者にとって生活に関わる深刻な問題であり、公共交通を所管している部署と話し合いをしていますが、スーパーも路線バスも民間事業者が経営しているため、行政主導での解決策は見当たりません。

そこで民間事業者にお願いをして利便性を高めたいと思っていますが、採算面の見通しがなければ難しい問題だと認識しています。

そこでスーパーの支援をいただき、和歌山市吉礼に移動スーパーの「とくし丸」が来てくれることになりました。吉礼にある菖蒲ケ丘団地に毎週、日曜日に来てくれています。

団地のC棟辺りに11時頃、その後、B棟に移動して販売を行い、12時ごろに終了しています。8月は6日、続いて13日に「とくし丸」が来る予定です。

地域の皆さんにとって有り難い移動スーパーの運行であり、行政と民間事業者が閉店した後のことを考えて実現した取り組みだと認識しています。

有り難いことに、地元からの要望と利用者があれば、現在の週一回から週に二回の運行も検討してくれます。引き続き買い物困難地域の問題にも取り組んでいきます。