「いきいきシニア」役員の皆さんと「和歌山市の観光資源について」懇談しました。観光資源には当然のことながら郷土の偉人も含まれます。語り部の坂本さんは、知られていない故郷の偉人に注目して今後の語り部を予定しています。
1人目は、世界に先んじてビタミンAを抽出した農芸化学者である橋 克己博士です。岡公園内に頌徳碑がありますし、生家の門前には生誕地碑が建立されていますが、現状において注目されているとは言えません。また既に生家は取り壊されているので、訪れてもその影はありません。坂本さんは取り壊される前に訪れたことがあり、家屋の写真と橋博士の肖像を写真に収めていました。「今となっては貴重なものです」と話してくれました。
二人目は武内宿禰です。「記紀」に登場する武内宿禰は、景行天皇、成務天皇、仲哀天皇、応神天皇、そして仁徳天皇に仕えたとい言われている和歌山市出身の伝説上の忠臣です。
和歌山県発行の「わかやま歴史物語100」によると次のような紹介があります。
国家に忠誠を尽くし多くの人びとから崇められた人物として、戦前の紙幣にはしばしば肖像が用いられました。なかでも神功皇后が新羅攻略のため朝鮮半島へ遠征する際、軍事を補佐し功労があったと伝えられています。皇后が朝鮮から凱旋する際、忍熊王(おしくまのみこ)が反乱を起こしたため、紀伊水門(現在の和歌山市)を経て帰還したといわれ、後の応神天皇を宿禰がお守りして滞在した地や、皇后が滞在した地にはゆかりの神社が残っています。
戦前の紙幣の肖像になっている人物で、坂本さんは武内宿禰についても語り部で紹介する予定にしています。
坂本さんは活き活きと語り部の活動の誇りと、次に取り上げる二人の故郷の偉人のことを語ってくれました。
このように地元でも知られていない故郷の偉人のことを調べ、現地を訪ねて人物像を想像して紹介しているのです。今からこの偉人を訪ねるウォークの企画の実現を楽しみにしています。
紀三井寺境内に大きな絵画「青龍」が置かれていました。画家の田村茂さんと渡里幸さんが制作した絵画ですが、明日、手水舎の天井に奉納される予定になっています。そこで今日限定で、絵画の裏面にサインとお願い事を書くことが出来ることになりました。紀三井寺がある限りここに存在し続ける絵画ですから、貴重な機会となるものです。
田村画伯から「是非、観に来てください」と依頼をいただいていたので、境内を訪ねました。天井画ですから地上に設置されていると迫力があります。
タイトルは「青龍守霊泉」で紀三井寺の前田住職が名付けたと伺いました。但し、今回は田村画伯から「青龍」と作品紹介を受けたので「青龍」として紹介していきます。
龍には青、赤、黄色、白と黒の5つの書き方があるようです。青は色が示す通り、水をつかさどる龍となります。ずっと以前、紀三井寺には三本の滝があったこと。手水舎の天井に設置するため「青龍」を描いたのです。
そして「青龍」が持っている水晶の模様は「徳」「福」「寿」を表しています。この三文字は紀三井寺が大事にしている言葉だそうです。
また龍が飛び立っている下の海は和歌浦の海で、波立つ青い海から龍が飛び立って紀三井寺向いている風景です。戦国時代、豊臣秀吉に囲まれた紀三井寺を、春子が狐になって助けた逸話がありますが、これからは「青龍」も一緒になって紀三井寺と和歌山市の平和と繁栄を護ってくれると思える絵画です。
本日、紀三井寺では38度を超える暑さでしたが、天井画「青龍」の迫力と裏面へのサインで、しばらくの時間、心の平安と涼を楽しみました。
画家の田村茂さん、紀三井寺の前田住職さんとも話を交わすことができた「千日詣」となりました。皆さんに「青龍」のご加護がありますように。
紀三井寺にエフエム和歌山の放送車「コメットスタジオ」が登場しました。見るのは初めてでしたが、中継している声が聴こえてきたので近づいてみると、パーソナリティの宇和さんと画家の渡里さんがコメットスタジオで話していました。「青龍」制作についての話をしていました。
続いて「片桐さん、番組に出てください」と呼び掛けてくれたので、コメットスタジオに乗り込みました。宇和さんから「何の話題にしましょうか」と話をいただいたので「紀三井寺と観光の話にしましょう」と答えました。以下、番組で話した内容です。
宇和さん、こんにちは。紀三井寺からの放送ですね。よろしくお願いいたします。
今日、紀三井寺に天井画の奉納があると聞いたので訪れました。作者の田村さんから案内をもらったので絵画「青龍」を観に来ました。田村さんは各地の寺院に絵画の奉納をしていますが今回は「青龍」だそうです。これまで奉納した「白龍」も見ましたが凄い迫力でしたから、今回も楽しみにしています。
さて今日、ここに来る前、語り部の皆さんと懇談していました。皆さんから聞いたのは、和歌山市の観光案内の相談を受けたとき、お客さんからの希望が多いのは紀三井寺だということです。和歌山市観光の場合、和歌山城から玉津島神社に立ち寄り、その後に紀三井寺を案内するコースが一番人気だそうです。
そんな紀三井寺ですがスタジオの前にはケーブルカーがありますし、降りた地点には西国三十三所の灯篭があります。そこを通り抜けると境内まで登るエレベータがありますから、上り下りは随分楽になっています。勿論、御利益はケーブルカーを使ってもありますからご安心ください。
他にも、山門には閻魔大王の石像がありますからこれも必見です。僕は昨年、この閻魔大王を写真展に出展しました。作品展に出展して観てもらうことも紀三井寺観光につながるものだと思います。
和歌山市を案内してくれている語り部さんからのこの話は嬉しいですね。
この話を聴いた県議会議員の立場としては、観光振興について気づくべきこと、考えるべきことがあります。
それは観光地と言っても、投資をしないことには継続的な観光地でいられないということです。「観光地だから触ってはいけない」「この観光地は自然に囲まれているから全て守らなければならない」といった考え方では、観光客がリピートしてくれないことになります。
紀三井寺が観光地として人気が高いのは、リピーターが多いのは投資をしているからです。ケーブルカーや新しい灯篭、エレベータ、そして今回の天井画である「青龍」の取り付けです。投資をして新しい設備を作り、観光客を呼び込んでいるのです。漫然と待ち続けている観光地ではないところが観光の要諦です。
かつてアメリカでグランドキャニオンを訪れたことがあります。アメリカを代表する景勝地であり自然の景観です。飛行機でキャニオンに降り立ち、車で周囲を周りました。感じたこと。キャニオンは「圧倒的に凄い」の一言です。
そんなキャニオンですが何日も滞在できないのです。初日は「凄い」と思ってカメラのシャッターを切り続けるのですが、二日目に入ると撮影しなくなるのです。飽きてくるのです。
こんなに凄い景色でさえ飽きてくるのです。自然は畏敬するもので凄いのですが、見続けていると飽きるのです。
その時、現地の人が言ったように「エンターテイメントがないと人は飽きてくる」のです。
アメリカはおろか世界有数の観光地であるグランドキャニオンでさえ、そうなんです。観光地として考えなければならないことです。
つまり投資をして新しい環境を創り出すことや、観光地にエンターテイメント性が必要だということです。投資、新しい見所、また投資、新しい見所を繰り返さないことには飽きが来るので、リピーターにつながらないのです。和歌山市の観光地として、紀三井寺はモデルになると思います。
この後、境内に昇って「青龍」を拝見したいと思っています。皆さんも紀三井寺に「青龍」を見に来てください。お願いいたします。