一般質問の最終日を迎えました。本日も4人の議員が登壇して熱心に質疑を交わしました。改めて県政の課題は多岐にわたり、しかも社会問題は生き物なので、どれだけ施策を講じても完成形はなく、県民の皆さん意見を聴き取りながら改善を繰り返していくことだと認識しました。
「完全な県政はありませんから、改善を繰り返すことが県政であり、県政に終わりなし」だと痛感しています。
さて答弁の中で岸本知事から保守、民主主義に関する見解が示されました。とても良い内容だったので記したいと思います。
民主主義の基本は「Agree to disagree」であることです。これはアメリカのことわざですが、議論を尽くした結果、異なる意見があっても決めた限りはお互いに合意したと看做して物事を進めることだそうです。決めたことに対して、いつまでも、後になって「私は納得していなかった」と意見を言うことは「なし」ということです。議論を交わして結論を導くための本質だと思います。
またどれだけ意見が違っていたとしても、議論交わすことが民主主義の本質であり、議論の過程で否定することは良くないことだと思います。違う意見、つまり異なる価値を聞いてから寛容な心で対応することが議論の本質です。すべて否定して封じ込めてしまうことは、やってはならないことだと思います。
私達の社会は民主主義、そして人間関係で成り立っているので、異なる価値を認めない、同意できないことは受け入れないという気持ちではなく、議論を尽くした後は、例え納得しなかったとしても多数決など民主主義のやり方で決定した限りは寛容の精神で対応することが大事なことです。そうしなければ民主主義は成立しませんし、民主主義国家での社会生活は厳しくなります。
県議会の議論はまさにこの本質をいくものであり、本会議や委員会では、自分が納得できるまで議論を交わします。質疑を交わした結果が出た後は、その結論に納得して協力することが必要なことです。また今日の議論が納得できなければ議論を終結するのではなく、自分が納得するまで議論をすることも大事なことだと思います。
もうひとつが大平元総理大臣の言葉です。
「私は権力を極力使わないようにしています。人はそれぞれ異なる意見をもっているので意見を聞くことが大事なことです。権限を持っている人は自らの意見で決めることのないように気をつけなければならない」という話です。
権力を持つと、それを使いたい人が多いと思いますが、権力は一時期だけ与えられたものなので永久に続くものではありません。だから個人として極力使うべきではありませんし、使う時は話がこじれた時に「この一言で決定する」と判断したときだと思います。
元総理の大蔵省時代の言葉だそうですが、議員、県行政に携わっている人など、県民の幸せを願って仕事をしている立場の人は肝に銘じておくべきだと思いました。
本日が一般質問最終日でしたが、改選後、最初の議会での質疑は新鮮で、いつもより気持ちが入っていたように感じ聞き応えがあるものでした。そして知事の答弁は全て前向きで、県政に明るさを呼び込むように感じられました。
「明るく元気に前向きに」が物事を前進させる要諦です。今回のように建設的な一般質問を聴くことで学びもありますし、気づきもありました。県政を前進させている感覚を持てることは嬉しいことです。