一般質問は三日目を迎えました。本日も先輩、同僚議員が登壇して、当局と質疑を繰り広げました。視点が異なると質問内容も違ってきます。地域や経験の差による視点の違いを楽しみながら質疑を聞かせてもらっています。
また和歌山県議会観光振興議員連盟の総会が開催され「和歌山県観光振興実施行動計画」の説明を聞かせてもらいました。令和5年から令和7年までの三年間は和歌山県の観光にとって「ダイヤモンドイヤー」と位置づけて、次の3点を基本方針として観光振興に向かおうとしています。
- 環境にやさしい持続可能な観光地づくり
- 大阪・関西万博に向けて誘客推進
- 滞在期間延長と消費拡大
では令和5年度の観光振興の取り組みとして「弘法大師御誕生1250年記念事業」を展開します。加えて令和6年の「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年に向けた機運の醸成と20周年記念事業の準備を行う年にしています。
そして和歌山県として、令和7年の大阪・関西万博に向かおうとしています。これからの三年間は和歌山県の観光振興にとって重要な位置づけになるので、県行政と県議会が一体となって観光振興に努めていくことにしています。
和歌山県は日本を代表する精神文化の地であり「記紀」の時代から、そして天皇の熊野への行幸の道として聖なる地とされてきました。熊野信仰はわが国が誇る自然崇拝の地であり、そこから生まれた神仏統合の地でもあるのです。世界に類を見ない異なる宗教の融和は、和歌山県だからこそ可能となったものであり、この精神性は世界遺産に相応しい価値だと考えています。この価値に氣づいてくれたのがヨーロッパであり、熊野と高野山には欧州からのインバウンドのお客さんが訪れています。
欧州の方々が継続して観光に訪れてくれるよう、日本を代表する優れた観光資源を売り出したいと考えています。
ただインバウント観光の形は整えられると思いますが、精神性を理解してもらうのは苦労すると思います。日本人でさえ、「記紀」の時代から続く和歌山県の持つ精神性を理解が難しいので、外国のお客さんに伝えることの困難さは理解しての観光振興だと思うのです。
世界遺産に登録されたのは、紀伊半島の優れた自然と高野山と熊野の精神文化が世界の奇跡だと評価されたことが要因だと考えています。外国から和歌山県を訪れた人たちは、熊野の森で神を発見しているのでしょうか。高野山で曼荼羅の宇宙を見ているのでしょうか。
実際は分かりませんが、紀伊半島で神や宇宙を発見してくれるなら、世界遺産を持つ県として嬉しいことです。紀伊半島が持つ精神文化を訴えて世界遺産への道を進んだわけですから。
世界遺産登録から令和6年には20年目を迎えます。和歌山県が観光振興策を講じることで、和歌山県を訪れた皆さんにその価値を知ってもらえるよう取り組みたいと思います。
そこで役立つのが体験観光の和歌山県、精神文化の地である和歌山県を訴え、そして世界遺産への道を開いた「南紀熊野体験博」の経験です。今に残る地域での体験観光、食とアウトドアを楽しむ観光、周遊型、滞在型観光のしくみなど作り上げたのが、博覧会の固定概念を破ったこの博覧会だったのです。
当時のメンバーの中で、現役でいる職員さんは少なくなっていますが、そのメンバーの経験は体と心の中に生きていると思います。世界遺産から20周年の年は「南紀熊野体験博」から20年の年でもあります。令和6年はシンボルパークのあった田辺市で、当時のメンバーが集まることを企画しています。当時の話に花が咲くと思いますし、今に続く和歌山県観光の土台は全て博覧会が築いたと思っているので、先輩達の優れた経験を引き継ぎたいと思います。
「観光振興実施行動計画」を読みながら、そんなことを考えていました。今年からの和歌山県の三年間が楽しみです。
- 向陽高校同窓会総会の打ち合わせを行いました。同窓生として母校を応援することも総会の目的の一つです。勉強もクラブ活動も、優れた実績を残してくれていることを嬉しく思っています。
- 建設委員会に係る協議を行いました。一般質問を終えると来週は常任委員会での審議に入ります。