元智辯和歌山の高嶋監督の講演会が開催されました。3年前に企画した講演会ですがコロナ禍の影響で2年間延期していたため3年越しに講演会が実現しました。講演テーマは「夢叶うまで挑戦〜人を育てる指導法と育成術〜」で、講演から学ぶことがたくさんありました。
1.人が成長するためには技術、精神力、体力の3つが必要です。この中で技術と精神力は簡単に身につかないので、最初は体力づくりから始めることになります。体力がないのに技術を身につけようとしても変な癖がつくだけで上手になりません。第一段階は体力づくりから始まります。
2.智辯和歌山が硬式野球部を創部したときにライバルと思ったのが箕島高校です。箕島高校に勝つためにやったことは、箕島高校の練習の10倍の練習をしたことです。箕島高校が腹筋を200回やっていると聞いたなら、智辯和歌山は2,000回やりました。背筋を200回やっていると聞いたときも2,000回やりました。
最初のうち選手はできませんでしたが、三ヵ月もしたら出来るようになったのです。三ヵ月辛抱してやり続けたなら、体力がついて出来るようになるものです。10倍の練習量をこなしていると根性がついてきます。だから試合で負けていても「絶対に引っ繰り返せる」と思うようになるのです。選手は「これだけのことをやってきた」と思っているので、勝てる自信があるのです。
3.素振りが大事なことは誰でもわかっています。しかし素振りの練習でやるべきことがあります。ストライクゾーンを9分割して、それぞれ10回ずつ素振りをします。すると10回×9となるので90回素振りをすることになります。
そこに右投手、左投手、変則型投手の3パターンを想定して素振りをするので90回×3で270回素振りをすることになります。さらに変化球を想定すると二倍になるので540回の素振り、高めと低めの両方を意識した素振りを加えると1,080回になります。一日最低1,000スイングをすることが必要です。
人よりも先に進むためには二倍が必要となるので、一日2,000回の素振りをすることが目標になります。だから智辯和歌山では、最低2,000回の素振りを日課にしていました。
勝つためにはそれを一年365日続けることになります。
試合に勝つため、甲子園に行くためには凄い練習量になります。私達の毎日も試合のようなものなので相手に勝つためにやるべきことが見えてきます。練習の工夫と毎日、同じことを続けることです。それが勝つために必要なことです。
4.人は言葉によって生きもすれば死ぬことにもなります。試合でエラーをして2点取られたとします。ベンチに帰ってきたエラーをした選手に対して「何故、練習の通りできなかったのか」などの言葉で怒ってはいけません。指導者がやるべきことは「よし、ツーランホームランを打って2点取り返せ」と言うべきです。選手は監督の言葉に燃えてフルスイングをします。その結果は分かりませんが、得点する雰囲気を作ることが出来るのです。
5.WBCでは侍ジャパンの村上選手は不振でしたが、準決勝と決勝では活躍しました。それには理由があります。準決勝の試合までの期間、人よりも多くの素振りを繰り返すなど凄まじい練習をしていたのです。不振を取り払うには練習以外にありません。自信を取り戻すための練習をしていたので、栗山監督はスタメンで起用していたのです。その練習の結果と監督の起用によって活躍することができたのです。
もし村上選手が不振だから調子が出るまで様子を見ようと言って練習をしていなかったなら、活躍は出来ていなかったと思いますし、監督はスタメンで起用していなかったと思います。不振を抜け出すためには練習する以外にないのです。
6.一流の選手に会うことで、選手は肌感覚で分かることがあります。一流選手のことを肌感覚が分かると、「あの選手のように一流になりたい」と思うので、選手は練習をするのです。一流に触れることが一流に近づくために必要なことです。
7.人は謙虚さが必要です。稲が実ると頭を垂れますが、まだ実っていなければ頭を垂れません。つまり偉そうにしている人は、稲穂が実っていないということです。謙虚な人は実りある人であり一流に達した人なので頭を垂れるのです。
8.挨拶はとても大事です。挨拶とは「あなたの敵ではありませんよ。味方です」という意思表示なのです。だから大きく元気な声で爽やかに挨拶をすることが必要です。嫌々、そして暗い挨拶は挨拶の意味を持たないので「私はあなたの味方ですよ」のメッセージ性が薄くなります。
- 社会福祉法人理事会に出席しました。令和4年度の決算と活動結果、令和5年度の予算と活動計画の議案が提案された結果、理事の賛成は全員で承認しました。
- 夕方からは懇親会に参加しました。応援してくれている皆さんが企画してくれたもので、皆さんとの交流機会を得ることができた、楽しくて良い時間となりました。