活動報告・レポート
2023年1月25日(水)
障害年金
障害年金

寒波到来のため昨夜から和歌山市でも雪が降り続け、今朝は積もっていました。和歌山市での積雪は珍しく慣れていないので、車の走行は極端に少なくなっていました。雪道の運転に慣れていないこと、スタッドレスタイヤも用意していない人が多いと思われるので、本日は外出を控えていたようです。

そのため今日伺うことになっていた障がい者施設の訪問と「ときわコーラスグループ」の練習の応援などの予定が変更となりました。そのため道路事情が回復し、外出が可能になった午後から県庁で打ち合わせを行いました。

本日、障害年金受給に関する相談がありました。この方は7歳の時に病院で障がいが発覚したのですが、それは昭和40年代のことでした。障害年金の受給のためには発した初診のときの診断書が必要になります。昭和40年代のカルテは今では保存されていないので、証明するものがないのです。そこで親戚に依頼してその時の状況を証明書類として書いていただき、市役所に提出しているところです。

母親は、まだ7歳の子どもなので将来の障害年金の受給を考える余裕はなく、証明書をもらうこともなく障害者手帳の申請をすることもなかったのです。子どもが障がいを抱えることになって戸惑い気持ちの問題で、申請を考える余裕がなく当然のことだったと思います。今になって障害年金の申請をしようとしたとき、必要書類がないため手続きの壁になっているのです。

現在、80歳を超えた母親は60歳を超えた子どものこの先の生活を心配して「子どもを残して死ぬことは心配でなりません。私がいなくなった後、どうして生きていけるのかを考えると心配でなりません」と話してくれました。

そして「せめて障害年金をもらえるようにしておきたいのです。障がいのある人は一人で生きていけない社会だと思います」と伝えてくれました。

これは多くの障がい児の保護者から聞いている切実な願いです。「子どもを残して死ねない」。言葉と共に心の中からの声も聞こえてきます。

できる限りの対応をして受給してもらえるようにしたいのですが、国の審査があり、当時の状況をどこまで伝えられるのかが問題となります。申請書類の形式は整っていますし、証明書類も丁寧に書いてくれているので、国の心ある判断を待つようにしています。

親の悩みや子どもが生きていくことについて、審査書類では理解できないところがあるので、心ある対応をお願いしたいところです。現場と審査の距離が遠すぎると伝えられないこともあるので、地方自治体に委任してくれるなどの方法はあり得ないものか考える契機になっています。

全ての人にやさしい社会。言うのは簡単ですが実現の難しさを感じます。どうしても声が少なくて小さいところには必要な措置が行き届かないからです。小さな声が届けられて制度を改善するまでには時間がかかります。和歌山市からの小さな声を届けましたが、高齢化した母親の願いが届くことを願っています。

参考までに、国の受付箇所に申請書類が届いてから審査完了までには3か月から4か月を要すると聞きました。審査手続きの期間は少し長いように思いますが、十分に審査していただき思いやりのある結果を待ちたいと思います。書類から母親の顔が浮かび、切なる願いを感じ取ってくれると良いのですが。繰り返しますが、地方と官庁の距離の問題があり顔の見える関係になっていないことを懸念しています。審査機関には是非、心ある審査をよろしくお願いいたします。