活動報告・レポート
2023年1月23日(月)
高齢者のお困りごと
高齢者のお困りごと

事業所を訪ねた時に対応してくれたのがオーナーでした。ここで「高齢者にとって優しくない社会です」と意見を聞かせてもらいました。

スマートフォンやパソコンは便利になりましたが、高齢者はデジタルツールの使い方を習っても使いこなすことが難しいのです。企業も市役所も医療機関もデジタル化が進んでいるのは利便性向上と生産性向上のためだと思います。しかし高齢者は使いこなせないので、利便性と利益の恩恵を受けていないのです。

例えば、和歌山県では感染症対策の協力金が該当業種には支給されることになりました。申請はパソコンでも書類での提出でも良かったのですが、パソコンでやろうとしてもできなかったので、書類申請をしようと窓口に問い合わせたところ、マニュアル通りの対応で理解できないことがあり記入できませんでした。そこでコンサルタント会社に書類申請代行を頼んだところ「お客さんがいっぱいでお手伝いできない」と言われました。

結局、パソコンが使えないこと、問い合わせても理解できなかったこと、コンサル会社で受けてもらえなかったことから、一度も協力金をもらうことができませんでした。若い経営者はパソコンで申請していたのですが、できなかった人も多かったと思います。デジタル化に対応できない会社や人は不利益を受けたことになります。

申請しなかったので文句は言えませんが、高齢者に親切な対応窓口を作ってくれても良かったのではと思っています。

最近では医療機関でも「アプリで予約」が必要なところがあり、事前予約をしていかないと後回しにされてしまいます。私は待合室で3時間も待機することになりました。急ぐような症状ではなかったのが幸いでしたが、緊急の場合はどうなるのだろうと思いました。

近頃は高齢者に優しくない社会だと思います。デジタル化は時代の流れなので対応していかなければと思いますが、高齢者は対応できないことを分かって欲しいと思います。デジタル社会に向かう過渡期なので、パソコンを使えない人に対しても不利益を被らないような社会のしくみを考えて欲しいと思います。

との意見を聞かせてもらいました。

世界はデジタル化に向かっているのでわが国も対応が必要です。ただデジタルツールが使えない人のための対応も社会には必要だと思います。

喫茶店のオーナーの話

訪問した喫茶店のオーナーは

景気は全く良くないですよ。知り合いの中で廃業しているところがありますし、支払いに困っているところもたくさんあります。政府は和歌山市内の経済状況を分かっていないと思います。売り上げは落ちていますし、仕入れ原価が上がっているので値上げをしなければ客商売はできないところまで来ています。ただ私のところのお客さんは高齢者の方が多いので、値上げをすると来てくれなくなるのです。

昨年、年金生活のお客さんが「一人暮らしでコンビニ弁当ばかりだと味気ないので、毎日ランチを食べに来ます」と話して来店してくれていました。当初は毎日来てくれていたのですが、やがて回数が減っていきました。来店の時に話をしたところ『年金生活者が毎日ランチを食べているとお金が続きません』という話だったので、来店は一週間に一度になりました。「再び値段の安いコンビニ弁当に戻ったのです」と話してくれました。

800円のランチだと継続的に来てくれないそうなのです。こんな状況で値上げをしたらお客さんは来なくなります。電気代、ガス代、そして原材料費が値上げしていますが、価格の改定はしないでいます。

また珈琲豆を入れてくれている問屋さんは、お店の事情を察知してこれまで値上げしないでくれていました。ところが先週、営業の人から「来月の2月から値上げさせてください。これまで経費削減、人件費削減などで値上げを回避してきましたが、もう限界になりました」と話がありました。

値上げを受け入れなければ迷惑になるので仕方ないと思いますが、私のところでは値上げはできないのです。利益はなくなりますが、来てくれているお客さんのためにやれるところまでやります。

と話してくれました。

値上げが続くことからお店の利益が減少しているので経営は厳しさを増しています。そんな中で総理から「増税」の話が出ているので「国民の生活はどんな状況なのか分かっていない」と思います。国民の声を聴く力を持って欲しいと思います。

という話を聞かせてくれました。

どちらのお話も地域社会で懸命に働いている皆さんの意見です。届かないような小さな声を聞き届けて欲しいと思います。