活動報告・レポート
2023年1月5日(木)
新春初釜
新春初釜
新春初釜

永岡一恵先生が主宰する新春の初釜に参加しました。毎年、お招きをいただいていますが、初釜は清々しい気持ちになれるお茶会です。いつも先生は笑顔で「片桐さん、お忙しい中、参加していただきありがとうね。来てくれると嬉しいです」と話しかけてくれるので、自然と笑顔のやりとりになります。そして先生は楽しく茶器などの説明をしてくれるので、茶道の奥深さを感じることが出来るのです。

一つのことを積み重ねてきた人だけが辿り着ける場所がある。先生の話と茶器などを拝見するとそんなことを思うのです。もちろん客人をお迎えするための茶花は新春らしく見事ですし、細部にまでおもてなしの気持ちが込められています。それに気づくことが感性であり、一期一会の気持ちで会話を交わすための条件だと思っています。

お招きに応じた人として茶人の心配りに気づくこと、そして作法よりも気づきを大切にしたいと思っています。床の間には干支の兎が飾られていましたし、僕が一服いただくときの茶器も兎の図柄でした。「片桐さんの茶器は24年前の兎年のときに使ったものです」と説明をしてくれました。

今から24年前に先生と客人に一服の出会いがあって、その歴史の先に僕がいることを光栄に思いました。多くの人が出会う中で、一服の関係を築けることは稀なことであり、それが一期一会の出会いなのです。

新春初釜

令和6年も同じお茶席が開かれると思いますが、それよりも今を楽しむことが大事なことです。人が存在していられるのは今の瞬間だけだからです。

お茶の世界は独特の空間を創り上げていますが、その中に身を置けるのはご縁のある一握りの人だけです。新春のお茶席の緊張した空気を体験できることは人生で得をしていると思いますし、非日常の空間に身を置けることは心身を安らぎに導いてくれます。

新春のお茶席は、私達が生きている時間の中のアクセントであり、これがあるから何気ない日常の中でゆらぎを感じることが出来るのです。

先生は「たくさんあるお茶の道具の中から、客人を思い浮かべて相応しい道具を選んでいます」と話してくれたように、お茶席の始まる前から主客の会話が始まっているのです。

約2時間のお茶席には、歴史と現在、人と人との出会う時間がずっしりと詰め込まれているようです。

新春初釜

もう一つ感じたことは、お茶席は同じ空気の中に包まれていて気持ちよさがあることです。ご一緒している人が一体となり、違和感がない空間はこんなに心地良いものなのだろうかと思うほどでした。お茶席は作法も会話も極めてシンプルです。社会は複雑化するほど人との関係も複雑になるので居心地が悪くなります。お茶席は社会と一線を画しているので、人としてシンプルに生きることが素晴らしいことだという本来の感覚を取り戻すように感じます。

それぞれの人が感じることが異なると思いますが、僕は先生との会話、お茶席の空気からそう感じることが出来ました。

今年も新春の初釜にお招きいただいたことに深く感謝していますし、節目を大切にしている日本の伝統は素晴らしいと感じました。節目があるから、その先も長く伸びていけるのです。永岡先生、そしてお弟子さんのおもてなしに心から感謝しています。

新春初釜 新春初釜 新春初釜 新春初釜
その他
  • ピアノの先生が挨拶の為訪ねてくれました。コロナ禍にあって発表会が減少していますが、今年から発表会などを再開する予定だと聞きました。音楽は人を明るく元気にしてくれます。先生のピアノの音色が躍る日を楽しみにしています。
  • 和歌山県の観光について考える機会がありました。若い人が和歌山県観光をどう考えているのか、どう感じているのかを議論しました。正しい結論はないと思いますが、現状と課題、そして対策と結論を考えることは大切なことです。良い機会をいただいていることに感謝しています。