某企業幹部会で県政報告をさせていただきました。これまでの実績と令和5年で取り組むべき政策について説明を行いました。今回、重視したのは、和歌山県にとって最も必要な「和歌山県の希望」です。和歌山市内では「和歌山県には希望がない」「発展の兆しが見えてこない」「誰が首長をしても同じ」など否定的な意見が多くあります。悲観材料が多すぎて希望的材料がないのです。
最近、新聞の地方欄では仁坂県政の総括が掲載されていますが、そこには「IRが挫折した後は企業誘致しかない」「人口流失と出生率の低迷」など解決すべき課題は列挙されていますが、「ではどうするのか」の政策は示されていません。尤も、令和5年以降の政策は新知事が語るものなので、希望のある新政策は新知事に委ねられることになりますが、県民である私達が「希望」を感じなければ活力は生まれません。「希望」が感じられないと、市内で交わされる県勢の会話は悲観的なものが継続することになります。令和5年の県政にとって絶対に必要なことが「希望」なのです。このことを意識して「希望ある政策」に絞って説明しました。
知事の言葉の通り、一気に県勢を浮上させるには「企業誘致」以外にありません。しかも基幹産業となるものであり、現在から将来を担うハイテク産業であるべきです。こんな話をすると決まって「和歌山県にハイテク企業が来るわけがない」と即座に否定的な意見が出てきます。和歌山県の将来の展望が開けるように「希望」を語っているのに、どうして否定から入るのか理解できません。
考えられる理由として「これまでの和歌山県低迷ぶりを見ているので、そんなことはあり得ない」ことや「和歌山県に自信がない」「和歌山県の将来性を聞いたことがない」または「和歌山県の将来の展望を語ったことがない」などだと思います。
つまり和歌山県は、これまでの実績から一回戦敗退の癖がついてしまっているのです。「試合に出てもどうせ勝てない」と思っているから勝てないのです。簡単なようですが、長年続いてきた敗退の歴史の癖は県全体に染みついているので、この負け犬根性を取り除くのはとても難しいのです。企業や行政機関にとって、組織改革はできても意識改革はできないのと同じです。
一回戦敗退が続いているチームに向かって監督が「今年は優勝だ」と叫んだところで、チームの意識は変わりません。変える方法は「監督を変えること」「これまで違って厳しい練習を継続すること」など、新しい器にするか厳しさを取り入れるかぐらいしか思いつきません。
負け癖がついているチームを立て直すには、リーダーを変えること、そして時間と厳しさが必要なのです。そうしてやっと意識改革の芽が出てくるのです。そこからがスタートです。映画で言うなら、強力なライバルとの対戦を前にして落ち込んでいた主人公が、やる気を取り戻し勝つために始動する、そしてバックに躍動感溢れる音楽が流れ始めたときです。そんな環境を創り出さなければ、「どうせ私達は一回戦敗退」の意識から抜け出すことはできません。
そんな観点からハイテクやデータセンターなどの企業誘致や先進医療機関、ラグジュアリーホテル、そして人工衛星製造工場などとの連携の政策を説明しました。説明を聞いてくれた結果、「市内のどこに行っても、人口減少や企業撤退などのネガティブな話が多い中、今回は和歌山県に希望を感じる話を聞かせてもらいました。ありがとうございます」と意見を聞かせてもらいました。令和5年、2023年が和歌山県の希望のスタートの年となります。
その後の意見交流会の場では「みんなで結束して頑張ろう」のエールを贈っていただきました。温かい激励に感謝しています。