活動報告・レポート
2022年11月4日(金)
黒潮国体とランニングフォーエバー
黒潮国体とランニングフォーエバー

昭和46年に開催した黒潮国体のタイムカプセル収蔵品展示会と、和歌山県を舞台とした映画「ランニングフォーエバー」を鑑賞したこと。黒潮国体のとき僕は10歳ですから、小学校4年生でした。両親と紀三井寺球場に行った記憶がありますが、何の競技を観戦したのかは覚えていません。ただ「和歌山県で国体開催」というだけでワクワクしていたように思います。そんな昭和46年にタイムカプセルが埋められ、50年後と100年後に開ける計画があったことは知りませんでした。

黒潮国体 タイムカプセル収蔵品展示会 黒潮国体 タイムカプセル収蔵品展示会

展示物の中には碑文「21世紀のひとびとに」のメッセージがありました。「2021年と2071年にこの扉を」と記されています。当時「21世紀」の響きは遠い未来であり、希望でした。21世紀が到来することも、21世紀に生きていることも想像できない時代であり、まさに未来の世界が漠然とあるだけでした。

黒潮国体 タイムカプセル収蔵品展示会

昭和46年の小学生は21世紀を生きることになるとは思ってもいない年代でした。あれから50年が経過してタイムカプセルが開けられました。国体の記録と共に、レコードや通貨、切手、化粧品のチラシなどがあり、とても懐かしく昭和46年という時代の空気を感じることができました。まさに時代を遡るタイムカプセルです。

繰り返しになりますが、当時の小学生は自分達が21世紀を生きることになるとは思ってもいない未来のことでした。しかし50年が経過して60歳を数えることになりました。

間違いなく21世紀の未来を生きているのです。タイムカプセルは21世紀が明るい未来であり、将来、自分達が生きる時代であったことを教えてくれているように感じました。

当時の小学生が「まだ見ぬ未来」を生きているのです。このことだけでも素晴らしいことであり、かけがえのない未来に存在していることに感謝したくなりました。

黒潮国体 タイムカプセル収蔵品展示会

先輩方が、そして私達がそれ以降の50年を創り上げてきたのです。50年という歳月を創り上げてきたことは素晴らしいことだと思います。この時代を生きた人は全て何かの役割を担ってきたのであって、一人でもいなければ、大袈裟ですがそれ以降の歴史は変わっていたと思うのです。60年を生きてきたので、時代感覚でこのことが分かります。

和歌山県にとって懐かしい響きである「黒潮国体」が近くに感じた企画でした。主催者の皆さんが説明してくれたことにも感謝しています。

そして会場では和歌山県を舞台にして撮影された映画「ランニングフォーエバー」が上映されました。当時、森田健作さんのインタビューでご一緒させてもらった方から連絡をいだたき、「懐かしいので観たいなぁ」と思って、県立図書館を訪れたのです。

映画 ランニングフーォエバー

時間の都合で映画を最後まで観ることはできませんでしたが、森田健作さんらしい青春映画だったので「この次は最後まで鑑賞したい」と思い、主催者に「もう一度上映会を開催してください」と依頼しました。

映画撮影の全ての舞台は和歌山県で、当時、企業で広報を担当していた僕は森田健作さんにインタビューを依頼したところ「時間の都合上、撮影現場の紀三井寺競技場でインタビューを受ける」回答を得ていたので撮影現場に入りました。

映画の撮影シーンはクライマックスの場面で、高校駅伝に出場した地元高校の陸上部員がタスキをつないで映画の主役であるアンカーのゴールシーンでした。

森田健作さんのインタビューをしていたところ、映画のスタッフがゴールでテープを持つ役の人がいないことに気がついて、僕たちに声を掛けてきたのです。

「テープを持ってゴールに立って下さい」。

突然の依頼でしたが周囲には他に誰もいないので、僕と当時の上司だった藤田佐太司さんがテープを持ってゴールに立ちました。

映画 ランニングフーォエバー

スタッフからの指示は「高校生が足を引きずりながらゴールテープを切るので、彼を優しく励ますような視点をおくってください」というものでした。

主役の彼はゴール直前に足がつって倒れるのですが、仲間の声援を受けてゴールを目指すシーンでした。汗は霧吹きを額に吹いて作り出し、その彼を見つめる役で出演することになりました。

登場シーンはわずかでしたが、優しくて励ますように厳しい視点を演じようとしたことを思い出しました。本当に懐かしく感じました。

タイムカプセルは時代を遡らせてくれて、あの時に描いた明るい未来を今生きていることを自覚させてくれます。50年は夢のように過ぎ去っています。この先も夢のような時代を懸命に生きたいと思いました。

その他
  • フロート式太陽光発電の説明を聞かせてもらったこと。池や湾などに太陽光パネルを浮かべて発電する方式です。和歌山県にはまだありません。
  • 2023年を起点とする和歌山県の将来を方向付ける政策の協議を行いました。2023年が和歌山県の未来を決定づけます。
  • 歴史から学ぶ話を聞かせてもらいました。大航海時代から始まった資本主義は、新しい資本主義の時代に移ろうとしています。過去の資本主義の価値は終焉を迎え、新しい価値の社会に移行する境に差し掛かっています。歴史は、時代が行き過ぎると元に戻させる役割を果たしています。山と谷を繰り返しながら歴史は進行しています。