バイオマス発電の焼却灰の処分方法を協議するため、首都圏からお客さんが事務所を訪ねてくれました。再生可能エネルギーの導入は必要だと考えていますが、そこから発生するモノの処理が問題になっています。全量買い取りを終えた後の太陽光パネルの処分やバイオマス発電から発生する焼却灰などは産業廃棄物になります。地球環境問題への対応が必要となる中、産業廃棄物で処理するよりも利活用することを考えるべきです。その方法について協議のため来県してくれました。
本題もさることながら驚いたことがあります。首都圏の給与水準のことです。首都圏では30歳代で年収1,000万円は珍しくないと言うことです。外資系なら大学院を修了して就職した場合は年収600万円からスタート。数年後には1,000万円に到達していると聞きました。
この御子息さんの年収は2,000万円ですが、首都圏では「珍しくありません」ということです。首都圏と地方都市との給与格差に驚くばかりですし、この差を埋めることは出来ないと思います。地方都市には初任給に600万円を支払える企業はありませんし、30歳代で1,000万円を支払える企業もありません。
つまり給与格差は埋まらないばかりか拡大する一方だと思います。給与格差があれば人材の流出入に関わってきます。地方都市から首都圏への人の流れは更に加速すると言うことです。
誰でも年収600万円と300万円を比較すれば、600万円の収入を得られる企業にお世話になるのは当然です。確実に地方の人材は首都圏に流れることになります。
それを止める方法はひとつだけで、首都圏並みの給与を支払える企業に進出してもらうことです。地方都市に国内企業は進出する訳はないので、外資系企業の誘致を図るべきです。一気に所得を上げる方法は外資系企業の誘致以外にないのが現実です。
繰り返しますが「首都圏では年収1,000万円は珍しいことではありません」の言葉が響きました。この給与水準は首都圏の話ですから東京だけではなく北関東でも同じことです。
地方に人材はいないはずです。半導体で活気が出ている熊本県でさえ「人材がいないことが問題になっている」と聞きますから、如何に人材が揃っているかが企業進出の鍵となるものです。
昭和の時代は広大な用地の確保が第一条件でしたが、令和の今では違います。
外資系企業が進出してくれるための条件は次の二つです。
- 安定したモノづくりができる環境が整っていること。これは人材、技術者がいることが第一の条件だということです。しかも新卒者ではなくて30歳代で外資系企業が求める技術を持った人が条件になります。
しかしこれが難しいのです。1980年代の日本であれば、日本人技術者は世界最高レベルでした。しかし今ではアジアの中でも台湾や韓国に後れを取っています。
そのため人材を見つけることが難しいことになっているのです。台湾や韓国が目指しているように「今ではなくて未来のモノづくりを志向する人がいること」が絶対条件となります。
- 販路があることも条件です。熊本県の場合はソニーがいますから、TSMCの進出が可能となったのです。これはオール九州としてお迎えしたことを意味しています。和歌山県に置き換えるとオール関西で「和歌山県に進出して欲しい」と依頼しているようなものです。
つまり和歌山県に進出してくれることは、オール関西の市場が和歌山県の背景にあることを訴求する必要があるのです。和歌山県は関西空港と南紀白浜空港の二つの国際空港があるアジアのゲートウェイであり、大阪や神戸が背後に控えている物流と技術の拠点になることを訴える必要があります。
和歌山県に外資系企業が進出してもらうためには、この二つの条件を満たす必要があるのです。関西空港から泉南市、阪南市、岬町を経て和歌山市に入る地域を「スターバレイ」または「スターコースト」と名付けて観光だけではなく企業誘致の体制を整える必要があると考えています。
和歌山県は他の地域にない資源を有していることを訴える必要があるのです。ライバルは東北であり九州なのです。企業誘致に熱心な二つの地域がライバルであり、日本一、世界一の都市を目指すためには、誘致合戦において東北や九州に勝たなければならないのです。現状では外国に対して和歌山県の知名度は低く、誘致の体制が整っていないように思います。
ですから和歌山県にハイテク産業が進出した場合の利点、無人運転自動車の工場とテストコースなどを誘致すること、人工衛星製造の拠点が和歌山市であることの理解が必要なのです。一気に国内トップになれることはありませんから、知見と人脈を使って発展する方向を示したいと考えています。
- 産業廃棄物の処理について会議を行いました。私達の想像以上に産業廃棄物があるので有効活用を図ることが大切です。利活用のしくみを検討したいと考えています。
- 同級生のお店に伺いました。オーナーの誕生日でもあったので、数人の方々とお祝いの言葉を届けました。懇親会を通じてお互いの懇親を深めることができました。
- 母方が龍馬家と関係している子孫から「坂本家の末裔ですから龍馬とは深い関係があります」と話してくれました。今日まで「和歌山県での全国大会を素晴らしいものに仕上げること」を話し合ってきましたが、これからはもっと充実させていきます。