本年度の「関西議員団会議総会」に出席しました。本年度の活動結果と来年度の活動計画などを議案に基づいて協議を行い、承認することになりました。新年度はコロナ禍明けの活動のあり方が主になっていきます。
僕からは和歌山県における政治的課題について報告しました。
1.地球環境問題への対応と再生可能エネルギーの促進は各県でも課題になっています。和歌山県では太陽光発電の導入は進んでいますが、大型電源に匹敵するものはありません。そこで期待されているのが洋上風力発電で、和歌山県には適地性があると考えています。地元同意が絶対なので今後の進捗は分かりませんが、化石燃料に代わる発電方式の中で洋上風力発電は最も期待できる発電方式になります。
県が進めるためには国に対して「情報提供」を行う必要があるので、来年の課題として認識しているところです。2050年にはガーボンゼロを目指すことがわが国の命題なので、和歌山県が「知らない」「関係ない」など国際的課題に関わろうとしないことは絶対に避けたいと考えています。
2.データセンター誘致
デジタル化を推進するためには大容量のデータセンターが必要となります。地方自治体においてデータセンターの誘致は地元への経済効果が大きいので、推進すべきものだと考えて行動しています。ところが用地確保の問題と共に電力コストの問題があります。24時間、大容量の電力を必要とするので、現在の日本の電力料金だと採算が取れないため国際競争力がありません。外国企業は政治的に安定して治安の優れている日本への進出意向はあるのですが、電力コストの問題から他の国への立地に転換している事例もあるのです。
せっかくの企業誘致の機会を逸しているので、データセンター誘致にあたっては電力コスト対策が必要だと考えています。
3.政治情勢について
政党政治が混迷しているように思います。与党はともかく野党の動きや考え方は分かりません。立憲民主党と日本維新、国民民主党と維新、日本維新と連合との関係はどうなっているのか分かりません。政治的課題解決のためには、この関係をきっちりと整理する必要があると思います。組めるのか組めないのか、協力できるのかなど、分かりやすい形にして欲しいと思います。
アジアの中でわが国は戦後の経済成長以降は特に盟主の地位にあったと思います。しかし近年は相対的に地位が低下しているように感じます。今日、デジタル化、デジタル通貨、先進医療や遠隔医療などの話し合いをしたところ「もう日本は盟主ではないのでは」と感じました。デジタル化、デジタル通貨では相当後れを取っていますし、特にデジタル通貨で円を流通させることは無理だと思えるほどです。外国では着々とデジタル通貨のしくみが整えられていて、2023年以降のデジタル通貨での取引では、出る幕はないと思うほどです。日本国民だけが知らない、正確には知らされていないかもしれませんが、次の世代の競争でも周回遅れの状況です。
また自由貿易港の問題も日本にとって深刻な問題です。現在、香港、シンガポール、そしてドバイに自由貿易港がありますが、わが国はその特権に気づいていないようにも思います。経済特区と自由貿易港の違いに気づくなら必要性は明らかですが、このことからもアジアの拠点は中国とシンガポールに移っていることが分かります。
デジタル技術、デジタル通貨、金融など先進技術は日本が得意としていましたが、現代はそうはなっていません。アジアの盟主などと思って胡坐をかいているようでは、先を行っている国との差は拡大するばかりです。早く気づくべきだと思います。