「ラ・ダンサアンダルシア フラメンコフェスティバル」を鑑賞してきました。フラメンコアカデミアが主催、和歌山フラメンコ協会が協賛したイベントで、県民文化会館は満員で大盛況の下、「ラ・ダンサアンダルシア」の皆さんが素晴らしいダンスを披露してくれました。
森久美子先生は「コロナ禍で難しい環境の下、昨年開催した『紀の国わかやま文化祭2021のもののけの森のマリア』以来の舞台となりました。そのときからこのフェスティバルを目指して練習を行ってきましたが、皆さんに応援してもらって開催できたことに心から感謝しています。皆さんと一緒の楽しい時間を過ごすことができて幸せです。ありがとうございます」と、心からの挨拶が心に沁みました。
フェスティバルの第一部は研究生の皆さん、第二部は「ラ・ダンサアンダルシア舞踊団」と森久美子先生、ゲストの屋良有子さんが舞踊を披露してくれました。このステージは情熱であり、これまで蓄積され続けてきた力を発散するような躍動がありました。鑑賞した一人の感覚としては、舞踊が躍動する直前に苦悩や悲しみが演じられていたように感じました。
内に秘めた情熱が一気に噴き出すような感情の前兆を感じさせてくれました。
今回の舞台は、襲ってくる困難に怯むことなく、立ち止まってもいいから歩き出すことを伝えてくれたように感じています。自分達がコロナ禍で体験したことを共感できるように見事に表現してくれました。舞踊家の皆さんの苦悩、諦めない強さ、そして舞台に立てる喜びなどの感情が私達のいる観客席に伝わってきました。会場を埋め尽くした満員の観客席から心からの感激の拍手を贈りました。こんなに見事に内に秘めた感情を演じてくれたことに感謝しています。
コロナ禍のやり切れなさは人によって異なりますが、言葉で、文章で、行動で、そして舞踊で表現が可能であることが分かりました。芸術家たちは私達に対して、優れた表現力で社会情勢と生き方を示してくれています。芸術から学べることはたくさんありますから、観客の一人としてそのメッセージをしっかりと受け取りたいと思っています。
それにしても困難に直面しても「私は諦めない」というメッセージを発信し続けてくれる森久美子先生の強さは、一体どこから来ているのだろうかと思います。それは和歌山県にフラメンコの文化がなかった頃から、皆さんに理解してもらうために舞踊してきた誇りや情熱の炎を燃やし続ける執念、そしてもっともっとフラメンコを極めたいと思う力などの結晶だと思います。
フラメンコ舞踊家としての誇りある舞台がメッセージとして私達に伝わってきます。先生の誇りが舞踊家の踊りと共に演奏や唱にも伝播して、舞台から誇り高き舞踊団の気概と情熱が伝わってきました。だから客席から出演者に対して、感激とお礼の拍手を贈り続けることになったのです。
素晴らしい舞台を魅せてくれた舞踊団と研究生の皆さんに、心から感謝の気持ちを伝えます。皆さんの舞台は誇りと希望を感じさせてくれました。誇りは気高さを感じさせてくれ、希望は明日に向かっていく気持ちを掻き立ててくれました。この日のために懸命の練習を続けてきたことは容易に想像できますし、見事な舞台を魅せてくれた皆さんに「ありがとう」の言葉を伝えます。
「ラ・ダンサアンダルシア」の舞台に魅せられた一日となりました。
- 史上最強の柔道家、木村政彦先生の話を聞かせてもらいました。語ってくれた正木照夫先生の言葉から木村先生の強さと人柄が伝わってきました。
- 元レッドヘッドを訪ねたこと。室内が改装中で珍しいコンゴの置物などが飾られていました。