都内の投資家の方と懇談する機会がありました。
和歌山県は良いところじゃないですか。何でもありますよ。良い食材は揃っているし温泉もあります。他とは違うのは歴史と信仰に彩られた観光地があることで、聖なる地は外国人が好きなところです。日本人の自然信仰は外国人にとって不思議な空間なので、熊野を訪れたいと思っているのは不思議ではありません。何でも揃っているから言うことがないですよね。
ただ欠けているものがあります。投資の機会が少ないので投資を受け入れることに慣れていないのですね。危ないと思っている、または和歌山県が利用されると思っているのではないですか。確かに騙す人は大勢いますが、本物もいるわけです。それを見抜けなければ大きな投資の機会を失うことになります。
理解していないのは、投資はリターンを見込めるから行うものだということです。和歌山県に投資する限りは当然、リターンを求めます。投資した後に儲けることを良いとは思っていないようなのです。国から予算をもらうことに慣れているので、投資と予算配分と同じように考えてしまっているのではないですか。
「和歌山県に来て儲けようとするのは良くない」と思っていると感じる場合があります。これまで大きな投資環境に恵まれなかったので感覚が分かりにくいと思いますが、投資額が大きければリターンも大きく見込むので、県外から来た事業者だけが儲けるしくみだと思ってしまうのです。
もう一つの問題は、投資額が大きいと言うことは和歌山県内で実施してきた事業と規模が違うので「そんなことはできないでしょう」と最初から思ってしまうことです。否定から入ってしまうと否定的な視点を持ってしまうので、事業計画を疑惑と不信に感じてしまいます。地元が受け入れる姿勢を見せなければ、できることさえできなくなります。結局、投資話は逃げてしまうので、「やっぱり、やらなくて良かった」とその事業計画を否定してしまうのです。
投資を受け入れる姿勢、歓迎がないことが投資を逃がしている原因だと思わないことが和歌山県なのです。だからこの失敗は表面に表れないので、安定した県政となるのです。高いところにいれば安定は歓迎なのですが、全国で下から数えた方が早い位置にいる和歌山県が安定してしまって、安心してしまってはいけないのです。
一つでも上に行くためには既存の施策だけを実行するのではなく、また「時期が来たら考えます」「慎重に検討します」など言うだけでなく投資を受け入れることです。熱意を持って迎えなければ投資環境は絶対に生まれません。これまで半島だから不利益を受けてきたと言います。確かに事実だと思いますが、半島だから投資が検討されない場所とは言えません。投資を受け入れることが将来の発展につながると、これまでの考えを改めたいところです。
和歌山県に投資をしたいとのオファーがあれば、和歌山県は利益を生み出す魅力がある地域だという証拠なので歓迎の意を示したいものです。資金と信用があれば事業は前に向いて進むはずです。投資と言いながら資金が見えない場合は相手にできませんが、資金が証明されるなら前進させることが和歌山県のためです。これまで投資を受け入れることに慎重になってきたことで多くの機会を逃してきたと思います。
実に的を得ている指摘だと思います。話があれば「そのうちに」、撤退されたら「仕方ない」とローカル的な考えが衰退に向かわせているのです。
- 学校教育と私学のあり方に関して懇談を行いました。
- 後援会長を始めとする皆さんと今後の活動の進め方について懇談しました。
- 子ども食堂の運営のあり方について懇談しました。地域での助け合いの気持ちが伝わってきました。