生体肝移植の第一人者で医師の田中紘一京都大学名誉教授と懇談しました。東京から関西に戻ってきた機会にお会いして懇談させていただきました。田中先生は二週間前にベトナムから帰国したばかりですが、疲れた様子もなく笑顔で話し合うことが出来ました。
先生はベトナムで新しい病院建設に携わっていることを伝えてくれて「ベトナムの医療水準を高めることでベトナムとの友好関係を築き、同時に困っている人を助けたい」との思いからプロジェクトに参画しています。わが国を代表する医師が国を背負ってベトナムの医療のために尽力してくれている姿に感銘を受けました。もちろんわが国の癌治療などをリードしている先生なので、国内でも地域医療、特に健康で生活できることを目指した予防医療に関わっています。
予防医療や癌の早期発見と治療の鍵は「食と農」にあると聞きました。つまり「食と農と医」の三項目で治療にあたることが大事なことだそうです。
「薬に頼るよりも食事が大事です。健康に資するための食事を提供するためには農業が大事になります。医療と農業が協力して患者さんを健康にする取り組みを考えています」ということです。
先生は予防医療のために医療細胞研究所を設立し、癌の先端治療のための研究所を設立して日本の医療が世界レベルを高めることを目指しています。現代社会において健康的な生活をするためのキーワードは「Well Being」だと伝えてくれました。これは「いきいき健康」で、これからの地域創生、まちづくりの中で絶対に必要な概念だということです。
医療と食事、人との交流機会、健康づくりのための施設を備えたまちづくりは、健康で活き活きとした生活のため、健康寿命の延伸などのために必要なことです。これからのまちづくりにはこの概念を取り入れることは必須で、交流と食事、娯楽だけのまちづくりでは地域を再生するためには一つ欠けていることになります。予防医療と健康づくりを組み入れたまちづくりこそ地方自治体が取り組むべき姿です。
私達が健康的な生活を過ごすためには「行動変容」が必要で、成人病の予防習慣を身につけることを目指した地域社会を考えるべきなのです。鹿児島県霧島市や兵庫県三木市などでは、この取り組みに注目して医療と食事、農業を基に健康的なまちづくりを目指していることを教えてもらいました。
病気になってから治療するのではなく、病気にならないために予防習慣のあるまちづくりこそ健康都市となります。健康的な生活とは、病気にならないような生活習慣のある暮らしができるまち、健康に不安が生じたら先進的な医療が受けられるまちである必要があります。県や市が健康に注目して本気で取り組むことが「Well Being」につながるのです。
民間だけ、医療だけで「Well Being」のまちを創造することはできませんから、県や市が本気で「健康」に取り組むことが求められます。やる気、企画力、行動力と世界で活躍している医療人との連携、そして資金がなければ実現できないことです。本気になればやり遂げることができますから、健康で安心できる県民生活を築くこと、予防医療のための施設をつくることや、健康習慣を身につけられる環境を整えることがこれからの医療行政の役割だと思います。
そして現代医学において、癌は早期発見することで95パーセントは治癒できるようなので、早期発見するための医療検査体制と県民意識を醸成することが必要なことだと聞きました。
お忙しい時間を縫ってお会いいただいた田中紘一先生との懇談は、予防医療と生活習慣、健康維持のためにやるべきことなどを考えることができる大切な時間となりました。先生に感謝いたします。
- 和歌山徳島県人会役員会に出席しました。役員会の議題は「和歌山&徳島の文化交流会」の最終確認です。これまで令和4年10月2日に開催するイベントの準備を進めてきましたが、いよいよ最終確認をすることになりました。本日でやるべき準備はすべて整ったので、後は本番を迎えるだけになりました。和歌山徳島県人会の力を合わせて成功させたいと話し合いました。
- ビッグ愛で行われたイベントに参加しました。このイベントには「玄人市場」も出店していたので、スタッフの皆さんを激励してきました。元気で明るくお客さんをお迎えしていたのが印象的でした。