「第36回龍馬World in 和歌山 龍馬と宗光 未来への伝言」が動き始めました。この大会は令和6年7月13日から15日までの三日間、和歌山県内で開催されることが決定しています。大会は7月13日、和歌山城ホールで開催、交流会はダイワロイネットホテル和歌山で実施予定です。
そして14日と15日の二日間はエクスカーションとして県内の歴史を訪ねる研修会を予定していますから、和歌山県の歴史と観光を全国にアピールする絶好の機会となるものです。龍馬会の全国大会を和歌山県が担当することまでの道のりは決して簡単なものではなく、和歌山県の熱意が龍馬会役員の心を動かしたことで実現したものです。
今回のテーマに流れる主催者の心は次のことに集約しています。
不平等条約改正130年は坂本龍馬や維新の志士達の祈願達成130年の日―不平等条約改正130年(日英通商航海条約締結)&陸奥宗光伯生誕180年記念―
坂本龍馬の夢は日本が列強諸国と対等の国になることだったと思います。ですから明治維新は近代国家への扉を開いた出来事だとすれば、不平等条約改正は近代国家の仲間入りをした出来事だったので、坂本龍馬はここまでの道筋を描いていたと思うのです。志半ばにして倒れた龍馬ですが、その夢と志を陸奥宗光伯が受け継ぎ、後の世で達成することになったのです。龍馬が夢見て宗光が夢を達成してくれたお陰で、現代日本があるのです。
この謳い文句で和歌山県が全国大会の舞台に選ばれたのです。和歌山県が全国の龍馬会をお迎えすることは誉であり、和歌山県の歴史、文化、偉人顕彰の姿、観光力を知らしめる絶好の機会となるのです。
僕は今でも、高知県で開催された「龍馬会総会」での会話を覚えています。当時、全国で龍馬会がなかったのは和歌山県だけで「紀州宗光龍馬会」は全国最後尾での発足となりました。高知県での総会で新参者として挨拶で参加したときに迎えてくれた言葉です。
「とうとう紀州が来てくれたんか。土佐と紀州はこれで手打ちじゃけん」そしてがっちりと握手を交わしたのです。開催場所は坂本龍馬の生誕の地に建っている「ホテル南水」で、当時、ここが龍馬会の本部になっていたのです。
なんと温かいお迎えの言葉なのでしょうか。土佐と紀州で起きた「いろは丸事件」の歴史を無に帰して友好関係を築こうという、龍馬と宗光が望んだ言葉だと思ったものです。
お互いが決して土佐と紀州の主役ではありませんが、歴史の主役になったような気持ちになりました。この気持ち、気概こそ龍馬会が持っているものであり、故郷に必要な心なのです。「歴史や先人達の行いはどうでもいい。今だけが歴史」と思っているような薄っぺらな心はいらないのです。歴史の上に現代がある。つまり現代も歴史であり、過去を切り捨てて積み上げることはできないのです。過去から学ばなければ現代において後れを取ることは必然ですから、現代の県の姿はそれが如実に表れていると思います。
昔から和歌山県は遅れていたわけではありません。一気に遅れてしまったわけでもありません。徐々に遅れていったのです。歴史の流れを読めなかったのか、気づかなかったのか分かりませんが、とにかく徐々に遅れていったのは、一つひとつ積み上げることの大切さに気づかなかったからだと思います。
令和6年の「龍馬World in和歌山」大会で、そのことに気づいてもらいたいと思います。
令和4年の開催地での大会「龍馬World in旭川」で「紀州宗光龍馬会」から、大会参加者に対して和歌山県での大会の趣旨を説明してくれることになっています。