「稚内市の視察と映画『氷雪の門』の話が聞きたいです」との依頼を受けて、そのことに関する講義を行いました。当初は講義をする予定で来たのですが、参加してくれた皆さんからたくさんの意見を頂戴したので、テーマが「和歌山大空襲の体験」「戦争の是非」「国際社会における日本の立ち位置」「映画『氷雪の門』の上映会」などに広がりました。皆さんから意見をいただいたことで議論が深まり、次につながることは勿論のこと、若い人に戦争体験をどのようにして伝えていくかなど、今後のテーマまでも話し合うことが出来ました。
今後、私達がやろうと共通認識したことは、映画「氷雪の門」の上映会を実施することです。多くの人に呼び掛けて映画鑑賞をしてもらうことに加えて、和歌山大空襲を体験した方から話を聞く上映会を実施することを決めました。
参加者からは「和歌山市で大空襲があったことを知っている人、体験した人は少なくなってきました。B29が和歌山県上空を編隊を組んで飛行していたことを知っている人は少なくなっています。新宮市も空爆されたことを知っている人も少なくなっています。私達の体験を伝えたいと思います」と話してくれました。
僕からは「南樺太の歴史を知って以降、『氷雪の門』を基にした史実を調査していますし稚内市も訪れています。僕が思うことは『事実を知っただけでは人に伝えることができない』ということです。最近になってようやく『氷雪の門』の話ができるようになっていますが、それは毎年のように稚内市を訪れて空気に触れていること。樺太記念館に立ち寄って地元の人と話をしているからです。自分が体験していないことは、一度、話を聞いたぐらいで人に説明することはできません。同じ話であっても何度も繰り返して聞くこと、現地を訪れて空気を感じることを通して、ようやく自分のものにすることができます。自分のものにしてやっと、人に伝えることが出来るのです。例えば戦争を体験した人の話は、自分で現場を訪問することと体験者からの話を聞くことを複数回体験することでやっと同程度になると思います。和歌山大空襲を体験した人の話を聞くことは、多くの資料を読むよりも自分のものになると思います。今日の講義から『体験者の話を聞くことが次の世代に伝えることになり、自分の言葉として伝えることができるもの』だと知ることができました」。
和歌山大空襲を体験した皆さんが「片桐さんの話を聞いて感銘を受けました。私達も南樺太の歴史を知る必要があります。もっと教えてください」と話してくれたことを嬉しく思います。戦争を体験した皆さんが、戦争を体験していない僕の話を聞いて「日本は戦争を避けるための行動、備えをしなければなりません」と言ってくれたのです。こんな有り難い話はそうそうありません。
今回のテーマの場合、僕が南樺太の歴史を学び、現地を訪問して関係者と話し合ったこと。そして自分の言葉で伝えていることで、迫力が出ていると思っています。改めて歴史を学ぶこと、現地を訪れること、関係者や体験者の話を聞くことによって、身につけられる力を感じました。
講義終了後、参加してくれた方から「定期的に開催してください」「次の機会を設けてくださいね」「歴史を学ぶ機会があれば紹介して下さい」などの意見をいただきました。
嬉しい反応があったことからも「今日、話ができて良かった」と思いました。今日の講義を機として、日本人にとって大切なことを伝えるための学びの機会を、定期的に持ちたいと考えています。集まってくれた皆さんに深く感謝しています。
- 県政の動向に関する現状確認を行いました。県政は混乱していますが「惑わされないように筋を通して対応しよう」と確認しました。
- ウインズ平阪さんのコマーシャルの曲を集めたCDの話を交わしました。地元で活躍している人を応援しようと集まった人たちで話し合いました。
- 友人が集まり懇親会を行いました。「みんなで高めあっていこう」と現状を踏まえた将来について話し合いました。一人で出来ることは限られていますから、一緒に高みを目指すことが必要なことです。