「ナームの会」に参加し、今回は仏像の修復についての話を聞かせてもらいました。仏像は長い歴史に耐えていますが、年月の経過と共に傷みが生じたり、その一部が壊れたりしていきます。そんな大切なものを伝統的な技術者が支えていることをしりました。仏像もメンテナンスや修復が必要で、放置しておくと壊れてしまうようです。
講師の言葉に「仏像は歴史の中で大切な役割を果たしていました。人々が手を合わせて祈願してきた対象なので置物ではないのです。これまで多くの人々の魂がこもった仏像を修復することは歴史の一端を担っているので、やりがいがあります」とありました。歴史の中で仕事をしている覚悟を感じました。
もうひとつの言葉です。「仏像の修復作業をしているとストーリーを感じるのです。ストーリーが見えると楽しくて仕方ないのです」と活き活きと語ってくれました。
ストーリーが見えるとは、修復作業で次のような事例があるからです。
劣化した仏像の修復依頼を受けました。仏像の中は空洞で解体したところ、驚いたことがありました。仏像の中に仏像が保管されていたのです。体内の仏像はオリジナルの仏像だったのです。オリジナルの仏像が老朽化したので、当時の技術者がこの仏像を再現しようと作り上げたのが現存している仏像なのです。
その当時の様子を想像するとストーリーが見えてきます。当時の技術者やお寺のお坊さんは、この仏像を後世に残そうと考えて同じものを作ろうと決めたのです。設計と素材集め、創作など心を込めて仏像を制作したと思います。そんな魂の込められた仏像が令和の時代に引き継がれているのです。
そして令和の時代、再び老朽化しているので、今回は修復作業で蘇らそうとしたのです。初代と二代目、修復ですが今回は三代目となります。令和の技術者の魂を込めた仏像に仕上げることが歴史の中で仕事をすることであり、現代の技術力を発揮することで後々の世の技術者のためになるのです。
現在、依頼を受けて修復している仏像の中に仕様書や手順書を入れています。仕様書があれば後世の人が再び仏像を修復するときの参考になるからです。
話を聞いて要約した流れが以上です。仏像の修復とは、歴史に評価される仕事に携わっているということです。仏像修復の仕事を誇りに感じていることが分かり、現代の技術を後世に伝えることを使命と考えていることが分かる話でした。
依頼を受けている仏像修復の多くは江戸時代のものだそうです。江戸から現代へと技術者の魂は受け継がれていますし、それぞれの仏像に願いを込めている私達の魂も受け継がれているのです。
今回、歴史に関係する仕事に携わっている誇りを感じることが出来ました。改めて考えてみると、ほとんどの人は歴史に関係していますし、歴史上の役割を担っているのです。もし一人が欠けると歴史は変わると思うのです。全員が歴史に関係して生きていると思うだけで力が湧いてきます。素晴らしい講義を聞かせていただいたことに感謝しています。
和歌山市内にあるストリートのひとつに「じゃんじゃん横丁」があります。ここの街並みは昭和そのもので、後から作ったものではなくて昭和の街並みを今に残している場所なのです。訪れてみるとこのレトロさが新鮮で、昭和の温かさを感じることができます。
事務所においていた車を取りに歩いている途中に、このストリートに立ち寄りました。
ここにはレトロな喫茶店もあり、暑さをしのぐために店内に入りました。古いイタリアのカフェのような雰囲気があり、時代を感じる店内の空気と珈琲の香りを楽しむことが出来ました。和歌山市には良いところがたくさんあります。
ハワイから帰国した方と懇談しました。20日間、ハワイに滞在して感じたことは「物価が高い。インフレだ」ということです。資源高騰や地球温暖化対策などによる世界的なインフレのため物価が上がっています。
元々物価が高いハワイですがさらに高騰していると聞きました。バナナ一本が3ドル50セントだったようですから、日本円で一本500円もすることになります。カップヌードルも5ドルだったので800円ぐらいになります。日本から行くとこのように円安の影響を受けるので、更にインフレを感じたと話してくれました。
ハワイでは価格に消費税がかかりますし、そこにサービス料、チップとして15パーセントから20パーセントを支払うことになります。チップが20パーセントということは10,000円の食事の場合で、2,000円のチップなので12,000円も支払いとなります。インフレはサービス料も高くなることを意味しているので「インフレと円安を体験しました」ということになります。これも世界を感じる話になりました。