本日、最近の急激な円安について話し合いました。但し円安の本質的な原因については調査中であり、今日時点では回答を導き出せていません。晴天の県庁を背景に良い議論を交わすことができました。
今日、対米ドルとの為替レートが144円にまで切り下がっており円安が止まりません。アメリカが金融引き締めを行っているのに対して日本は金融緩和を続けています。その日米金利格差によって円安が進んでいるのです。最近の経過を記します。
1.アメリカの金融引き締めは、2022年6月と7月の二か月連続してFRB(米連邦準備制度理事会)は0.75%の大幅利上げを行っています。
2.2022年8月26日。アメリカのジャクソンホールの会議で黒田東彦日銀総裁の発言が現在の円安に誘導する引き金になっていると思います。ここで世界各国の中央銀行が「インフレ懸念と金融引き締めを強化する」と強調したのですが、黒田総裁は「日本のインフレ率が先行き低下する可能性と、金融緩和を継続する必要性」を唱えています。
3.2022年8月28日、同じくジャクソンホールで開かれた経済シンポジウムでは、ジェローム・パウエルFRB議長が「景気を犠牲にしても物価高を定着させない」つまり「景気を犠牲にしてもインフレを抑制するために金融引き締めをやり抜く」と表明したことを受けてアメリカでは大幅に利上げ観測が続く見通しが広がり、その後も円安が進展しています。
この時の発言の趣旨は次のようなものだったようです。
・「インフレを抑え込むには家計や企業に何らかの痛みをもたらすことになるが、それは避けられないコストだ。ただ、物価の安定を取り戻すことに失敗すればもっと大きな痛みを伴うことになる」
・「物価の安定を回復させるには、金融引き締め策を一定期間維持することが必要となる可能性が高い」「歴史は時期尚早な金融緩和を強く戒めている」
・「物価上昇を2%に戻す強力な対応をとる」
・「仕事が終わるまでやり抜く」
金融引き締めを継続する強い意思を示しています。
4.黒田総裁とパウエルFRB議長の訴えの温度差が激しすぎたため、為替市場でドル高と円安が一段と進む要因となっているのです。この中央銀行の「日米金融政策スタンスの差」が為替相場に影響を与えているのです。
この日米金利差を縮小することや、「日米金融政策スタンスの差」を埋める発言がなければ、一般的に円安は止まらないのです。黒田総裁が金融引き締めに関する発言をしない限り円安が進展していくことになります。
そこで注目すべきことは令和5年4月の黒田総裁の退任後です。安倍元総理と黒田総裁の異次元の金融緩和によって円安が進み始めました。円安とは言い換えると通貨としての円の価値が下がることを意味しています。円の価値が下がることは、ドル高に誘導することになり、また株価を押し上げます。日本経済が世界市場で評価されないほどに衰退しているのなら仕方ありませんが、もし円の実力以上に円安が進んでいるとすれば是正の必要があります。黒田総裁が方針転換をして金融引き締めはできませんから、次の日銀総裁の考え方によって日米の為替レートが変わっていきます。
メーカーの人からは「もう円安は堪えて欲しいです」、皆さんからは「物価があがって生活に影響しています」との声を聞いています。進展しすぎている円安によって光熱費、食材、建設資材など、ほぼ全ての分野で値上がりの原因になっています。景気を失速させないために金融引き締めができないのでしょう。次期総裁には金融施策を考えて欲しいところです。
ただ金融引き締めなどの政策に関しては、事前にアメリカとの協議がなされていると思います。もしかしたら既にFRBと協議を行っているけれど、相手は拒否しているかもしれせん。アメリカが国内のインフレを抑制するためには金融引き締めが必要で、日本も同じように引き締められたらドル安に向かうため国内経済に影響がでるからです。
ずっと以前、当時の日銀総裁は為替への介入はもちろんのこと公定歩合を変更する時でさえ、FRBにお伺いを立てていたと聞きます。対アメリカとの関係は金融政策にも影響があるようです。
和歌山中央ライオンズクラブと和歌山ゴールドライオンズクラブ合同例会を開催しました。合同例会は2年ぶりの開催であり、双方の人数が集まって楽しい例会になりました。
本年度の国際会長の方針や地区ガバナーの方針の伝達を受け、また両クラブの会長方針も説明してくれたので、本年度の活動の柱が見えました。これからも社会貢献のために活動していくことにしています。