「いきいきシニアわかやま」主催の「紀三井寺参拝ウォーク」に参加しました。地元にいることもあり中々紀三井寺に参拝の機会がないのですが、同会主催のイベント案内をいただいたので参加してきました。
紀州語り部の坂本さんの知識とユーモアに溢れた案内を受けたので、参拝とウォークを楽しむことが出来ました。
紀三井寺の山門から境内に登る手段としてケーブルカーが設置されていたこと、ケーブルカーを降りたところには西国三十三所の灯篭が設置されていたこと。そこから本殿に登る方法としてエレベータが設置されていたことなど、紀三井寺が変貌を遂げていました。
坂本さんは「最近、和歌山市に観光に来る人が増えています。一番人気があるのは友ヶ島ですが、その次が紀三井寺と玉津島神社です。紀三井寺が人気なのはケーブルカーができたこと、エレベータが設置されたことも要因だと思います。階段を登るのがしんどいという方も境内まで登れることになったので多くの方が訪れています」と話してくれました。
私達は山門前に集合して231段の階段を登って境内まで登るコースをとりました。
途中、ケーブルカーの降り口に立ち寄ると、西国三十三所の灯篭が設置されていました。この灯篭を設計した田村茂画伯から「紀三井寺を訪れたときに灯篭を見てください」と伝えられていたので、拝見しながら灯篭の並ぶ道を歩きました。
3Dプリンターで制作したろうそくが灯篭の頭に設置されていて、田村先生からは「夜間に点灯させた時に炎がゆらぐように設計しています。この炎のゆらぎを表現することに苦心しました。この技術を持っている人とイメージを何度も打ち合わせをして作り上げた作品です。是非とも見てください」と伝えられていたので、じっくりと三十三の灯篭を見ながら歩きました。
坂本さんも丁寧に灯篭の説明をしてくれたので、より一層、現代の技術の価値が歴史ある紀三井寺に反映されていることを感じました。歴史と現代の技術が組み合わさることで表現力が増し、これが新しい歴史を築いていくことになるのです。これまでここに関わってきた作者と技術者の知恵と技術が融合している文化があると思います。令和の時代に新しい作品と技術が加わったことを後の世で語られるに違いありません。この最新の技術を駆使して制作した灯篭は、現代人としての誇りになるものです。
そして坂本さんは紀三井寺の室町時代から令和の時代までの連続している歴史を語ってくれたのです。
また本殿を参拝した後に新しく設置された14基の鳥居を登りました。新しい鳥居について尋ねたところ「紀三井寺の開創1250年を記念して行われた三社権現と同社殿参道石段改修工事があり、その際、参道石段上に新たに鳥居群設置を発願したようです。そして権現社前の3基の大鳥居と石段上の14基の鳥居が設置されています」ということでした。
赤い輝く鳥居が青い空に映えていたので、この石段を歩くことを楽しいと感じました。そしてここから眺める和歌の浦の景色は絶景ですから、和歌山市に観光に訪れた皆さんには、この歴史の物語に溢れている紀三井寺、名草山と和歌の浦の景観を楽しんで欲しいと思います。万葉の時代にこの地を訪れた天皇や俳人が詠まれた和歌の光景がそのまま残っているわけではありませんが、この地にまつわる物語を聞いたうえで想像力を発揮すれば万葉の時代の光景が蘇ってくると思います。ここに紀州語り部さんに案内してもらう観光の価値があると思います。
今日も暑さが厳しい中でしたが、紀州語り部であり「いきいきシニアわかやま」の坂本さんの案内をいただき、紀三井寺の物語と観光地としての魅力を感じることができました。
坂本さん曰く「物語があるので観光地になるのです。物語のないところに人は訪れませんから、観光地と言われるところには必ず物語があります。今日、紀三井寺にまつわる物語を伝えたように歴史から紐解ける物語があるから、一級品の観光地になり得ているのです。紀三井寺には新しい建築物ができていますが、この地の歴史と物語に価値があるから新たに投資をしているのです。何もないところに投資は生まれませんから、投資するだけの価値が紀三井寺にはあるということです」と説明してくれました。
まさにその通りで、投資する価値があるものには価値があります。その価値は物語として話すことができるものです。物語は語り継がなければその価値は理解されませんし、観光地として訪れる人は減少していくことになります。結局、地元の文化や観光資源を生かすも生かさないも地元で暮らす私達次第ということになります。
- 関労和歌山エリア支部定期大会にお招きを受け挨拶をさせていただきました。県議会議員としての活動報告と来年度以降に取り組むべき課題について説明しました。
- 異業種交流会に出席しました。コロナ禍の時期は休止していましたが、二か月前に再開させたので前回に引き続いて参加しました。県政として和歌山県に希望の持てる政策について説明しました。