和歌山市立の小学校での学校給食について意見を聞かせてもらいました。生徒一人の給食費は一日252円で、和歌山市が20円の負担を行っています。ここにエネルギー価格の高騰や食材の値上げなどによって給食メニューの組み立てが難しくなっています。ガス代やお米の費用を除くと、おかずに回せる費用は約100円だそうです。100円で野菜やお肉、お魚を調達する必要があるので給食メニューが難しいのです。
「100円でおかずを作るのは難しいことですし、ガス代や食材費が値上げしているので、今後はおかずに回せる費用は100円に満たないかもしれません」という意見です。
現状から考えると値上げ費用を給食費に転嫁することは難しく、給食費を上げることはできないのでその範囲で給食を作る必要があります。しかし直ちにエネルギーコストの上昇や円安が改善されるとは思えないので、今まで通り給食が提供できるのかの問題があります。
しかも某小学校では「2年間、牛肉が給食メニューにありません」という状態が続いていることを聞いたので、これには驚きました。「豚肉や鶏肉はメニューにありますが牛肉は高いので出したくても出せないのです」という話です。そう言えば以前、新聞記事で「熊野牛が給食で提供された」ことが報道されていました。この話を聞くまでは「和歌山県産の熊野牛が給食として出されたから記事になったのだろう」と思っていたのですが、実際は「給食で牛肉が提供されていなかったから」だと気づきました。
お会いした栄養士さんの話では「現在の給食の献立では子ども達に必要な摂取カロリーを下回っています」ということで、この話も衝撃でした。
おいしい学校給食で子ども達に栄養と必要なカロリーを提供できていると思っていたので、この前提が覆されました。エネルギーコストと物価の高騰が給食の質を低下させていますから、値上げが続いているのでもっと給食メニューが限定されていくことになり兼ねません。安全で安心できる学校給食と言えるのか疑問に感じます。
現在、和歌山市長選挙や市議会議員補欠選挙が行われていますが「候補者はこの問題を知っているのだろうか、知っている場合はどのように改善しようと考えているのか」と言うことです。わが国の経済の問題が学校に影響を与えていること。給食が健康に資して安心できる内容になっていないことは大きな問題です。
そしてエネルギー価格と物価上昇、円安が学校給食に深刻な影響を与えているけれど、値上げが出来ないし食材費を抑える以外に方法がない学校現場で、この問題は対応できないのです。マクロ経済の動向が小学校に影響を及ぼしていることを管理部門は知っていると思いますが、学校現場では何の動きも見えないことから「子ども達にとって大切な給食を維持することや栄養価を高めることに苦心しています」という事態が続いているのです。
関係者の方々の話を聞かせてもらって、もうこれ以上の物価上昇には対応できない事態に陥っていると感じます。
小学校の頃を思い出すと、授業を終えた後の友達との給食は美味しくて量もあり、楽しい時間だったと記憶しています。給食メニュー表を見て、好きなおかずの時を楽しみに待っていた記憶もあります。
牛肉や食材が高くてメニューに困っている状況では「給食の時間が楽しい時間になっているのかな」とも感じました。
今日、聞かせてもらった小学校で起きている給食問題について、現状認識と改善案について質したいと思います。
和歌山文化協会定例役員会に出席しました。本年度から茶道部の幹事となったことから出席したものです。定例会では、各部会からの活動報告と協議事項として「きのくに文化月間参加」について話し合いがありました。お盆明けの時期ですが、動きは文化の秋に向かっています。