朝から暑い日となりましたが、午前中、議会報告書を持って挨拶に回りました。訪問先でそれぞれの地域の課題を聞かせてもらうことができました。
1.私の自治会では会員が激減しています。高齢者が多くなっているのに対して、子どもの世代が仕事の関係で東京や大阪に出て行ってしまっていること。自治会中にある社宅の空き室が増えていることなどが原因です。高齢化が進んでいることから役員になる人がいないので体制が組めなくなっています。会員の激減と役員になる人がいないことから自治会の解散についても考えているほどです。
→ こんな自治会の問題は各地でも起きてくるのではないでしょうか。自治会は民間組織ですが、現状を踏まえて市でも自治会の編成について考えて欲しいと思います。
2.民生委員をやってくれる人がいないのです。民生委員は年齢制限があることと仕事量が多いことから頼める人がいないのです。和歌山市でも民生委員のあり方を考えて欲しいと思います。高齢者、一人暮らしの方が増えていることから民生委員の役割は重要になっていますから、地域に民生委員がいないことになってはいけません。今から考えて欲しいと思います。
→ どこの地域でも民生委員になる人がいないことを聞きます。年齢制限を撤廃することや報酬を上げることなどの意見もありますが、地域内の助け合いの気持ちが薄れていることが問題の一つだと考えています。自治会内の関係が希薄になっていることを解決しないことにはなる人が出てこないようにも思います。民生委員については市の課題として捉えておきます。
3.JR西日本紀勢線の乗降客が減少しているので将来の廃線を懸念しています。お客さんの減少や無人駅の管理など存続に向けて解決すべき課題があることは承知していますが、地域にとって必要な交通手段です。車が代替手段とも言われていますが、公共交通は地域住民にとって必要なインフラなので民間企業で収益性を求めることは理解していますが、地域社会のことをもっと考えて欲しいと思います。
→ 以前、紀南地域の紀勢線の再生の話し合いをしていた時期があります。無人駅と駅前周辺の空き家をホテルにリノベーションを図り民間事業者が運営すること。鉄道の運営事業者が「四季の味」鉄道として運行を図ること。そこに地域の食材とワインを活用した食事を提供して観光客を呼び込む提案をしました。
何度か会議を開催して実現に向けて協議を行っていたのですが、そのときに新型コロナ感染症が広がり、緊急事態宣言発令などの事態に陥りました。鉄道会社はお客さんの減少に伴う収益悪化への対応などで支社に出入りすることが制限されてしまいました。残念なことに良い企画だったのですが止まってしまいました。
今、ローカル線の廃線問題が表面化していますが、4〜5年前から今日の状況は予測できていたので対応していたのですが、提案したことが進んでいないことを残念に思います。危機に直面しなければ、しかもその危機が数字で示されなければ、人は本気で動かないことを痛感しています。やはり、行政も利用者も危機が表面化する前に当事者意識を持たなければ行動につながらないことを感じています。問題が惹起する前に対応する方が危機が表面化してから対応するよりも結果を出せると思いますし、費用も少なくて済むのです。
「有事学習会」での宇都隆史さんのコメントに、僕が感じたことを加えて記します。
1.当事者意識を持つこと。他人ごとだと思うと自分から行動しない人になります。何かが起きたら「市役所は何をしている」「県は何故来ないんだ」など大変なときにも不満を言う人は必ずいます。
でも当事者は自分なのですから、不満や批判を言う前に自分が出来ることをすべきです。社会人として当たり前のことができていない人が多いのですが、「有事」に際して生きていくためには当事者意識が必要です。「有事」でなくても、どんなときでも当事者意識を持って行動してください。当事者意識を持たなければ、全てが他人事になってしまいます。他人事で自分が望む結果を得られることはありません。
2.想像力を持つこと。どんな事態になるのか想像力を働かせなければ対応できません。自分でやらなければ能力は低下するので、自ら行動することが大事なことです。日頃、やっていないことはできることはありません。
3.公助とは行政が助けてくれることを意味していると思っている人がいる。公助とはそうではなく行政が対応できるよう民がやるべきことをやっておくことを意味しています。
巨大震災が起きたため、家屋内のタンスやテレビなどが転倒して壊れた家が多く発生しました。多くの人が家屋内から壊れたタンスなどを道に出したため、その粗大ゴミで道路幅を狭めてしまったのです。結果として自衛隊が救助するために出動したのですが、その市内には入れなかったのです。道路に粗大ごみが置かれていたためです。
公助の前に、公助しやすい環境を整えることも私達がすべきことです。自分がやらないで行政任せでは、有事のときに生きる力を無くしてしまいます。
宇都隆史さんの的確で言葉にキレのあるコメントは流石でした。